第11話 5月31日(月)part4
「よし、話を戻そう。よく考えたら、休みの日って祝日もあるよな? ええと、4月30日の金曜や、5月6日の木曜も何か入っていないとおかしくないか?」
神代君がスマホでカレンダーを確認しながら言った。
「単に神代君の予想が間違っているだけなんじゃない?」
陽子が容赦のないことを言う。
「6日は入っていた。小さなこけし。」
安藤君の告白に驚く。
「6日は木曜日、部活の日だな。俺はティッシュもらってないな。気づかずに家まで帰ったのか?」
神代君が安藤君に尋ねた。
「いや。」
安藤君は否定した。
6日、連休明け・・・
「あの・・・その日、私が安藤君にティッシュをもらったと思うのだけど。」
神代君、稲葉さん、陽子の3人が私を見た。
「休み時間につまずいて、安藤君の肩に鼻をぶつけたの。それで鼻血が出て・・・」
陽子が噴き出す。失礼な。
神代君はまじめな顔で安藤君に聞いた。
「その時ポケットの中には?」
「気づいた。」
なるほど、ポケットのこけしには気づいたけどそれどころじゃなかったという事だ。確かに、人が鼻血を出している脇でポケットからこけしを出して眺めるのはちょっと変である。
「それで、4月30日の金曜日は? 部活なかったし、ティッシュもらったよな。」
神代君がさらに質問した。何か出てきたなら当然覚えているはずだ。その日は何も出てこなかったと思う。
「なかった。」
安藤君もポケットに何もなかったと証言した。この日はたまたまだろうか?
「毎週月曜日と、5月6日だけ。不思議ね?」
陽子がそう言うと、安藤君が爆弾発言。
「わかった。」
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