番外編5 「幼なじみ 死姦」②
昨日の夜に見つけたばかりの画像だった。アジア人で好みの顔をした女の子の死体が、どこかの山道に倒れている画像。腹に大きな傷があり、内臓が飛び出ている以外にこれといって傷は無い。
傷が多すぎたり、骨が折れて体が曲がっていたりするのはストライクゾーンではない俺にとって、本当に好みの画像である。最近見つけた中ではぶっちぎりで1番。
特に、アジア人で……日本人っぽく見える死体の画像はあまりネットに落ちていない。どうしても日本人がよければ、ドラマとか映画のワンシーンで写る女優の死体演技で妄想するしかなかったのに……。
だから俺は、この画像を見つけた時、本当に興奮した――。
今も立っていた竿がより固くなる。首のあたりから体が熱くなるのを感じる。触ればすぐに、飛ぶような快楽を手に入れられるであろう――。
俺の性的嗜好は死体性愛である。横文字にすればネクロフィリア。女の死体に性的興奮を覚えるのだ。
たぶん、珍しいタイプだと思う。
初めにそれに目覚めたのはつい数年前のことである。やる気に満ち溢れていた大学1回生の時に、大学の図書館で勉強のためにパソコンを使っていた。その時にいずれある人体解剖実習の予習をしようと思ったのだ。
いきなり死体を見ると、恐怖でショックを起こしてしまう人もいると聞いていた。だから、その様子に慣れておこうと……。
しかし、動画を見て俺が感じたのは恐怖とは全く違うものだった。
エロいと思ったのだ。とんでもなく。
俺が見たのは海外の医科大学で行われた解剖だった。特徴はと言うと、検体となった女性が若く、スタイルが良かったというところである。動画の開始時点からそこにしか目がいかなかった。
本当にモデルさんかと思うほど、日本人ではなかなかいない胸と尻のボリュームだった。顔も整っているし、髪はブロンド。その光景は何度も見たし、今でも鮮明に覚えている。
俺は美人の検体が、複数人の男に体を弄られているのを見て、今までにないほど興奮した。死んでしまって全く無抵抗の女がやりたい放題されていたのだ。そこに言葉では言い表せない極上の感情があった。
動画が再生されている画面にくぎ付けになった。気付けば座っている場所が大学の図書館ということも忘れて、自分のズボンに手を入れてしまいそうなほど。
勉強や医学のことなど一切忘れて、隅々までその映像を楽しむことしかできなくなった――。
それからというもの、俺は死体性愛というジャンルに熱中することになった。パソコンを使って好みに合う画像を集めるのが日課になり、同じ趣味を持つ同志が集まる掲示板もお気に入り登録した。
相手が絶対に抵抗できないところが征服欲を満たすのだ。死体はどんな風に犯されようと決して嫌がらず抵抗もしないから、支配している感覚が凄い……。
あとは奪うという快感、自分がその女を殺したところから考えると、まだ何十年も生きるはずだった人生を奪ってやったというところに性的快感がある。
やってはいけないことだからこそ興奮する。生命を奪っておいて、生命を生み出す行為をする禁忌。知ってしまったら戻れなくなった――。
――俺は右手を動かし始めてから、わずか数分で絶頂に達した。気持ち良すぎていつも長く楽しむことができない。
少し息を切らしながら、ティッシュで後始末をする。4枚ほどのティッシュを要した。それが終わると、脱力してベッドに寝転ぶ。
「はあ……」
そのタイミングで訪れるのは、性欲が一気に引いていって、冷静な自分まで戻る瞬間。悟りを開いたように脳がスッキリする……通称「賢者モード」と呼ばれるものだ。
俺は平日の朝から何をしているんだろう。このままでいいのだろうかとぼんやり考えてしまう。
大学を留年してしまったけれど大したダメージは無いというのは、自分に言い聞かせるように頭の中で何度も言っている事だった。合理的に考えれば事実そうであるのだけど、やっぱりできることなら留年したくなかった。
そして何より留年してしまったせいで、実は大きな損失が1つだけ生まれてしまっていた。好きな人が遠い存在になってしまったのだ。
小学校、中学校、高校、大学と全て同じところに通っている幼馴染が俺にはいた。同じ医学部ではないのだけど、同じ大学の教育学部に通っている彼女は、ずっと近くに住んでいて、ずっと俺の好きな人だ。
いつか付き合いたいと考えていたその人がこの1年のせいで遠く離れてしまったような気がする。勉学が優秀なことが自信だった俺が留年なんてしてしまった今、もう2度と付き合うことはないんじゃないかと心を暗くしてしまう。
笑顔が素敵な彼女、今みたいな自慰のおかずにも昔から何度もした。俺の相手は彼女しかいないと思っていたのに……もう、顔を合わせて話すことすらできそうにない……。
俺はまた数週間、何の生産性も無い時間を過ごした。変化と言えば、酒を飲む機会が増えたことにより体に脂肪が増えてきたし、食べ物を消化する為に寝る時間も増えたというところだろうか。
1日のほとんどをネットと睡眠で過ごしていた。
そして、完全に夏という季節になった時だった――。黒いパソコンと出会ったのは――。
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