第48話 授業開始
「センセ〜、まずどうしたらいいですか〜?」
「渚の両親は許してくれたの?」
「うん!浩介に教えてもらうって言ったらいいよって!」
「じゃあ、まず口座開設して、さっき買ってきた本をみながら勉強しよっか」
「は〜い!そもそも株ってなに?」
「株っていうのは・・・」
「じゃあ、株を買えば会社の経営に参加できたり、所有者になれるってこと〜?」
「まあ、お金がもっとたくさんあれば、会社を買うこともできるね」
「へ〜!でも会社を選ぶ時ってどうやって選ぶの?」
「まず、会社がやっている事業が、将来伸びそうかどうかをみるかな。例えば・・・」
「それから?」
「会社がちゃんと売り上げを出しているかとか、利益が出ているのかを調べる。これはネットで調べたり、四季報を見ればわかるね」
「だから、こんな分厚い本買ったのか〜」
「まあ、ネットで調べた方が簡単かな。それからなにを目的に買うかだね、株価の値上がりを期待して売り買いをして利益を得るキャピタルゲインか、配当って言って利益の一部の分配してもらえる、インカムゲインを目的に買うか」
「どっちが儲かるの?」
「俺はキャピタルゲイン、安い株を買って、高く売る利益を目的に買ってるかな。そっちの方が利益が大きいから」
「じゃ〜、私もそうする〜!」
「まあ、これは当たった時は大きいけど、外れた時は大変だけどね。安い株っていうのは、PERとかPBRのところを見ればわかるよ」
「なにそれ〜?」
「PERは、1株あたりの純利益の何倍で売買されているかっていう指標で、この数字が小さいほど安くなってる。PBRは、1株あたりの純資産の何倍で売買されているかをみる指標で、これも数字が小さいほど割安。」
「ふ〜ん?浩介はいつもそうやって買ってるんだ〜」
まあ、いつも過去の記憶頼りでそこまで調べてはないけどな。少なくとも転生前の2021年まではなんとかなる。それだけ時間があれば、余裕で一生分は稼げるだろうし。
「とりあえず今日は、これくらいで。1人の時も本読んだりして、勉強してね」
「わかった〜!そういえばさ〜、浩介って今どれくらい稼いでるの〜?」
ん〜、もう言っちゃってもいいか・・・?
「んー大体、20億くらいかな?それくらいは稼いでるよ」
そう言って、スマホで口座の画面を見せる。
「え、えぇぇぇぇ!?そんなに!?やばっ!?」
そりゃ驚くよな、高校生で20億なんて額見ないもんな。
「え、浩介そんなに稼いでたの!?全然知らなかった〜!!!!そりゃあれだけお金出してくれるよね〜!?」
「みんなには具体的にいくら持ってるとかは秘密ね!美咲にも内緒だよ?高校生で大金持ってるって噂が広まると、犯罪とかに巻き込まれたりするかもだし危ないからね」
「それはそうだね〜・・・その額はやばいもん。でも〜、ん〜ど〜しよっかな〜?言って欲しくなかったら〜、相応の対価もらわないとね〜?」
渚はニヤニヤしながらこっちに寄ってくる。
ふぅ、疲れた。
これはいいかもしれない。渚にとって今まで美咲が一番で、隠し事もそんなにしてこなかったはずだ。でもこれで2人だけの秘密ができた。
秘密の共有をすることで、より親密度をあげられるし、俺のことを強く意識づけられる。
美咲より俺を優先してくれるようになればいいな。
次の週末、美咲と2人でデートをしている。
「ねー、2日連続で渚と2人だけでお家デートずるいー!」
「ごめんごめん、授業してたから」
こうやって嫉妬してくれるのは嬉しい。
「本屋さんで買ってた株のことでしょー?」
「そうそう、渚も株取引始めたいんだって〜」
「私そういうの分かんないからな〜!渚はいいなー!私も浩介に何か教わりたい!」
「そうだな〜、逆に美咲が俺に教えてよ!料理とか、得意でしょ?」
「え、料理する?いいよ!じゃあ、色々教えてあげるね!」
「うん、美咲の美味しい料理も食べられるし一石二鳥だね!」
「えへへ、浩介はなにが食べたい?」
「んー、肉じゃがとかかな〜」
「わかった!それなら作れるから一緒に作ろうね!」
「楽しみにしてるね!」
美咲の料理は美味しいからなぁ。
「そういえば、今年の夏休みはどうするー?」
「旅行行こうよ!もう高校生だし、ホテルとかもある程度自由に選べるし!沖縄とかどう?」
「いいね!海行きたーい!楽しみ!」
「あとは、東京観光とかでもいいかもね!」
「今までネズミーくらいしか行けてなかったもんね!どっちがいいかな〜、今度みんなで相談しよ!」
「そうだね。どっちにしろ、それまでにいっぱい稼いどくから。両方行ってもいいし!」
何億か・・・何10億くらいならいけるかな?
「無駄遣いはダメだよー?でもありがとう!」
「りょーかい!ところで、これ美咲に似合うと思わない?」
ちょうど通りかかった場所にアクセサリーが見えたので、店の中に入る。
「もー、無駄遣いはだめって行ったばっかなのにー!」
「いいからいいから!このイヤリングかわいくない?」
「あ、可愛いー!どう?」
そう言って耳のあたりに持ってみせてくる。
「似合う!これ買っちゃおうか!」
「もー、ありがとう!」
こうやってお財布を気にせず買い物ができるのはいいなあ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます