第20話 プールデート

7月下旬


「涼しー!」


「生き返るねー!」


今日は2週間ぶりの1日デートだ。

先週の土日、2人は買い物に行っていたので、行けなかったのだ。


美咲の家の前まで迎えに行くとすぐに2人が出てきた。


美咲はワンショルダーのトップスにチェックのミニスカート。

渚はTシャツにデニムのショートパンツ、シャツを腰に巻いている。

2人ともおしゃれでかわいい。


「服おしゃれで可愛いね!ちゃんと水着も忘れずに持ってる?」


「大丈夫ー!」


「美咲の水着私が選んだんだ〜!すっごくかわいいから、こうすけ期待しててねー!」


「渚、変なのばっかり持ってくるから時間かかったんだよ〜?」


「変なのじゃないよ〜、ただのビキニじゃん!いいもの持ってるんだから見せないと損でしょ?」


「ちょっと〜!」


「ちなみに私のは美咲が選んでくれたんだよ!」


「選んだって言っても渚が選んだ水着の中からだけどねー」


「楽しみにしてるね!」


3人でおしゃべりしつつ、電車で30分ほど揺られプールに着く。


「ついたー!」


「じゃあ着替えてくるから、着替え終わったらここに集合ね!」


「おっけー!」

どんな水着を着てくるのか楽しみだ。

中学生になるとこういうところにも自分たちだけで来れるのがいい。

着替え終わり、浮き輪をレンタルしつつ待つ。



「ごめーん、時間かかっちゃった!」


「お待たせー!まったー?」

美咲は水色の柄のワンピース水着にパレオを腰に巻いている。

渚はフレアビキニだ。


「かわいい!」


「ありがとー!」

美咲は褒められると照れるのが可愛い。


「でしょー?」

こちらはいつも通り自信満々だ。


「渚が日焼け止め塗ってくれたんだけどなかなか終わらなくて、いらないのに水着の中までで塗ろうとしてくるから!」

渚の方を見ると目線を逸らして口笛を吹いていた。

現実にそんな誤魔化し方するやつがいるとは・・・


「じゃあ、まずどこ行く?」


「スライダー行きたい!」


「おっけー、行こっか!」

美咲と手を繋いで歩く、渚は美咲と手を繋いでいる。

スライダーに乗ったあと、流れるプールで浮き輪に捕まって流されたり、大きなプールで泳いで過ごした。


監視員も多いため、ランチを買いに行っている間に2人がナンパされるようなテンプレ展開もなく楽しく過ごすことができた。




15時くらいにはプールを出て、すぐそばにある水族館に向かう。


「ペンギン可愛いね!」


「あはは、変な顔した魚いるー!」

この水族館は夕方以降になるとイルカショーが行われるプール越しに湾を挟んで街並みの夜景が見えるのが綺麗だ。


「すごーい、イルカかわいいー!」


「夜景も綺麗!」


帰り際、ショップで2人にイルカのぬいぐるみを買ってプレゼントしたら喜んでいた。


「ありがとう!大事にするね!」


「ありがとうー!かわいいー!」

2人の喜んでいる顔を見れたので満足だ。


「今度は部活の6人でまた来ようね!」


「そうだね!」

以前話していた部活は無事申請が通り、6人で活動している。

部活といっても部室や予算のつかない同好会扱いだが。


活動は週に1度か2度放課後に集まり、空き教室借りて遊んだり、家庭科室を借りてお菓子作りをしたり、時には買い物に行ったり、アミューズメント施設で遊んだりしているだけだ。


ちなみに申請書では適当に料理同好会と書いておいた。お菓子作りをするのは同好会の体裁を保つためだ。

活動的に同好会を作る意味があるのかという疑問もあるかもしれないが、同時に入れる部活は1つまでという制限があるため役に立っている。


卑怯なやり方かもしれないが、目標のためには大事なことだ。



そうそう、以前ジッセント株を売ったお金でようやく自分用のパソコンを手に入れた。

前世で使っていたパソコンとは比べ物にならないスペックだが2006年代じゃしょうがない。

パソコンに大体20万くらいと、デート代やプレゼントなどにもお金を使っているので、76万円ほどあった口座の残高が50万円ほどに減っている。


この時代ネコネコ動画はまだないがヨーチューブならすでにある。

あと何ヶ月かしたらゴーグルという検索エンジンやインターネット関連の事業を行なっている会社に買収されるはずだ。


ネコネコ動画も12月にはサービス開始されるから楽しみだ。


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