第5話 續木 斗真

續木つづき様・・・

續木斗真様・・・

「はい。」

斗真が呼ばれ看護師に案内されていく。

今日は二人で私に会いにに行く。

優子は現在絶対安静で ガラス越しでの面会しか許されていない。

斗真はガラス越しからみる優子にまた涙する。

ゆうこはそんな斗真をなぐさめる。


「ごめんね、心配させて でも私大丈夫だよ。」

「うん、ありがとう。早く元の身体に戻れるといいね。」

ガラッ。

後ろの扉が開きやや疲れた表情をした女性が入ってきた。

「お母さん!」

急なお見舞いにびっくりしたのか母親はこちらを見ている。

「あっ 初めまして。」

斗真はすかさず挨拶をする。


「どちら様でしょうか?」

「あっ すいません。ゆうこさんとお付き合いさせて頂いてます。

續木斗真と申します。」

一瞬、母親は戸惑い気味だったが、すぐさま返事をする。


「えっ・・・優子の彼氏さん?前から話は聞いてますよ。

お店の調子はどう?」

「はい、えと 順調です。」

「そう よかったわ。」

「こんな事になって・・・ありがとう、わざわざお見舞いに

来てくれて。」

母親は所々声を詰まらせながらも

斗真の前では 気丈に振舞ってみせた。


母親にはやはり見えていないみたいだ。

「では 俺はこれで失礼します。」

斗真は 気まずさに耐え切れなかったのか

挨拶をしてその場を後にした。


「お母さん、ずっと病院に行ってたから家にいなかったんだ。」

ゆうこは母親の愛情を嬉しく思うも

申し訳ない気持ちでいっぱいだった。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る