第4話 行きつく先は

家を出てから もうだいぶ経った気がする。

この紐はどこまで続くのか・・・

体感にしては かれこれ1キロ以上は進んでると思うけど

人間の時の私だったら もうすでに足がパンパンになっていただろう。


ヒマ人のゆうこはひたすら紐を追って進んで行く。

普通幽霊は 自由に空を飛びまわれるイメージだが

ゆうこの場合は高さ2mくらいまでしか浮かぶ事ができない。

そのため ゆうこの移動は歩くのと大して変わらないのであった。


ゆうこが延々と辿った紐の行きつく先はその町の市立病院であった。

「あっ 私だ。」

そう ゆうこは生きている。

辿りついた先はICU(集中治療室)、呼吸器を繋がれた

優子(実物)の姿がそこにあった。


ゆうこが理解するのに時間はかからなかった。

ICUで絶対安静の状態である優子の体と

幽霊になったゆうこの身体は繋がっていたのである。

いわゆる魂だけが抜けて出している状態であった。

「私がこんな状態になっていたなんて・・・

とりあえず、斗真に知らせなくっちゃ。」


ゆうこは一旦病院を離れ 自宅へ帰る事にした。





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