第109話 リシャ襲来

 俺はひょっとしたら、解釈を間違えていたのかも知れない。

 “勇者とやさしいまものの子”の内容を。

 アスタロト王子から聞いた、特徴的な3つの国を取り巻く状況。

 チムチ、アプリティオ、マガで、──ちょうど3つ。


「お前はこどもができぬよう」

 が同性愛者ばかりの国、チムチ。

「おまえはくるってしまえ」

 が異常性欲者ばかりの国、アプリティオ。

「おまえの子どもはまものにしてやる」

 が異形者の生まれる国、マガ。


 このほうが、3つの例えにつじつまが合う気もするのだ。だとしたら、これは3つの国がおかした犯罪の物語だ。

 ならばまものの子どもはなんなのだろう?文字通りまものの子どもなのだろうか。

 3つの国を暗喩しているように、まものの子どもも何かの暗喩かも知れなかった。


「──君たち、フランス語が読めるの?」

 長い船旅の退屈を紛らわす為、恭司が読んでいる、俺の出した漫画を見て、アシルさんが聞いてくる。

「いえ?日本語で読んでますけど……、アシルさんにはフランス語に見えるんですか?」


「うん、そうだね。」

「こっちの世界に持ってきたことで、自動翻訳の対象になったんかな……?」

 そうなると、こっちに取り寄せた書物は、どこの国の言葉で書かれてても、読めるということになる。


「日本人て、漫画やアニメ好きだよね。」

「フランスだと、あんまり漫画とかって読まないんですか?」

「なくはないけど……。

 僕はそんなに馴染みがないかなあ。

 日本人て、国民全員が、漫画読んだり、アニメ見てるイメージあるよ。」


「まあ、俺らの世代は、10歳くらいまでに一度は、漫画か、アニメか、特撮で、ハマった作品があると思いますね。

 うちの親世代でもそうかな。」

「僕らはそのくらいの年齢で言うと、ポエムのほうが馴染みがあるんだよね。」


「──ポエム?」

「フランスだと、子どもはポエムでフランス語を勉強するからさ。」

「え?じゃあエンリツィオもですか?」

「まあ、そうじゃない?

 普通に学校行ってたわけだし。」


「あいつがポエム……。プププププ。」

 エンリツィオの普通の子ども時代が想像出来なくて笑ってしまう。

「大分違うんですね、日本と。

 フランス行ったことはあるけど、そういう違いまでは知らなかったです。」

 英祐が話に加わった。


「来たことあるの?フランス。」

「はい、ダンスの国際大会を見に。」

「そっか。ダンスやってるんだっけ。

 確かそんな大会あった気がする。

 そうだね、日本とはだいぶ違うかも。

 日本て、家族手帳ないんでしょう?」


「家族手帳?」

「結婚したり、子どもが生まれると、情報が書き足されていく手帳だよ。

 この世界もそれがないから、ちょっとだけ寂しいんだよね。フランスじゃそれを見て、結婚の実感がわいたりするものだからさ。」


「へー。そんなのあるんだ。

 母子手帳くらいかな、日本は。」

「それはどんなやつなの?」

「子どもが生まれたお母さんが貰うやつで、申告すれば、別に子どもいなくても貰えちゃうものらしくて、役所のデータベースで、管理してるようなものじゃあないですね。」


「そうなんだ?」

「ただ、あったほうが子どもの生育状態を、お医者さんが正しく把握できるから、海外にも広まってるみたいです。

 国が義務付けてるところもあるみたいで。

 日本発なんですよ、母子手帳って。」


「へー!そうなんだ。」

「まあでも、海外との一番の違いは、学校教育かなー。日本てマトモな人間に、我慢を強いるのが前提だから。」

「確かにな。」

「そうだね。」

 俺の言葉に恭司と英祐がうなずく。


「どういうこと?」

 アシルさんが不思議そうに聞いてくる。

「学校に、人に嫌がらせしたり、他人を攻撃する人間がいたら、やってる人間の方を指導したり、カウンセリング受けさせるじゃないですか?海外って。」


「そうだね?」

「けど、日本って、被害者に我慢させる前提の、イカレた国なんですよ。

 だからヤベー奴が、そのままヤベー奴として大人になるんです。

 学校にイジメを報告しても隠すんです。学校側が問題解決する気ゼロなんですよ。」


「ええ……。」

 アシルさんが珍しく、呆れたように眉をひそめる。

「そのまま大人になるから、社会人になってイジメを続けるんですよ。

 んで、今度は会社側が被害者に我慢を強いる。基本的に理不尽な国ですね。」


「なにそれ、気持ち悪いね。」

「それがいかにイカレてるかを、先進国から突っ込まれることで、段々と変わってはきましたけどね。少なくとも世論は。

 けど、俺らからするとまだまだですね。諸外国と比べると、恥ずかしい国ですよ。」


「昔は駅のホームや、電車の中や、職場でもタバコ吸ってて、嫌がる人がいたら、そっちに文句言って我慢させてたって、昔の記事取り扱ったニュース見てびっくりしたもん。

 今はそれが逆になってるってだけで、少数派が虐げられるのが基本だよね。」

 英祐が言う。


「職場や大学でも、堂々と女の体触って、騒ぐ女の方がおかしい、清潔な女性と思ったら男は手を出せない、とか偉い立場の奴らが議論かわしてる昔の記事見た時は、さすがの俺も何言ってんだ?と思ったしな。」

 と恭司が言う。


「あー、あれな。芸能人の住所一覧が子供向け雑誌の付録についてたりとか、女性芸能人の生活ゴミ漁ってさらしてる記事が、普通に出てた時代があるんですよ。うちの国。

 今もまだ、性被害受けた子どもに対して、被害者側を責める国ですからね。

 マジでキモいんすよ。これは大人だけじゃなく、子どももだけど。」

 アンナが同じ学校にいたら、そういう目で見られていただろうなと俺は思う。


「だから子どもの幸福度はワーストで、子どもの自殺は増える一方だし、人を大事にしないから、優秀な人間はすぐ海外の企業に引き抜かれちまうし。ノーベル賞取った日本人なんて、全員海外で研究してた人たちですよ?

 恥ずかしい国だと思ってますよ、俺らは。

 世界に恥発信するだけだから、発言も提案もしないで欲しいすもん、政治家に。」


「そ、そうなんだ……。」

 知られざる日本という国の実態に、アシルさんはひたすら驚いていた。

「──よしっと、こんなもんだろ。」

「さっきから、何作ってたんだよ?」

「ちょっとな。アシルさん、テストしたいんで、トイレ一個壊してもいいですか?」

「いいけど……。なにするの?」

 アシルさんは不思議そうに首を傾げた。


 俺は異界の門から出した、洋式の水洗トイレに、水を流す魔法のかかった魔道具と、流した水をキレイにする、生活魔法のかかった魔石を入れた魔道具と、キレイにした水をまた集めて、タンクに移動させる魔道具を制作してくっつけていた。ようするに、水洗トイレを魔道具化したのである。


 水は循環して使うので、蒸発した分だけ水を足せばよいエコ使用。電気がないから、ビテとかは使えないけど、いずれそっちもやれるようにしたら、トイレでケツ洗いたい。

 床に固定するだけだから、水回りの知識も技術もいらず、誰にでも設置可能だ。


「よっしゃー!水洗トイレ完成!

 この世界の汲取式トイレ、ずっと臭くて汚くてヤだったんだよなー!」

 ちなみにトイレットペーパーもついでに出してある。汚物と一緒に生活魔法がキレイにしてくれるから、詰まる心配もない。


 試しに使ってみたが快適だ。魔石の魔力は半永久的に使えるし、電池式の水洗トイレが出来たようなもんだ。

 アシルさんが驚愕しながら、

「──君、これ売れるよ?」

 と言ってきた。


「もしも組織で商売にするつもりなら、権利売りますけど、どうします?」

 と、俺はアシルさんに聞いた。

「金持ちや王族に確実に売れる。裏じゃなく国の事業として堂々と売れる商品だ。

 もちろん買わせて貰うよ。」

「凄いね……、匡宏。」

 英祐が関心したように言う。


 エンリツィオの部下の人たちたちが集まってきて、次々と水洗トイレを使い、物凄い列が出来ている。みんな本来現代人だもんな。

 トイレットペーパーと水洗トイレの存在、マジ重要。赤ちゃんだって、ウンチがお尻についたままだと肌がかぶれるっていうし、不衛生なものがそのまま残ったトイレが、建物の中にあるってよろしくないと思う。


「材料とお金渡すから、船のトイレ、全部これに変えられる?

 あと、作っておいて貰って、アジトも全部これに変えたいな。」

「いいですよ、どうせ長旅で暇だし。

 魔石だけ、足りないんで貰えれば。」

「了解、後で持って行かせるね。」

 俺とアシルさんはニッコリ微笑んだ。


 俺はアシルさんに頼まれて、他にも水洗トイレを作成し、エンリツィオの部下の人たちが、従来のトイレを外して、新しく水洗トイレを設置する。王室御用達の船の中は、すべて水洗トイレへと生まれ変わった。トイレ待ちの渋滞が緩和されて、みんな喜んでいた。


「そうだ、何かのついででいいんだけど、炭酸水出せるかな?」

「──炭酸水ですか?」

「こっちにないからさ。そのままの水って、どうしても苦手なんだよね。」

 ああ、生水飲まないんだっけ、海外は。


「いいですよ、後で出して、料理長にでも渡しておきますね。」

「助かる〜。保管しとくから、大量に出してくれて構わないよ。

 ホントにいいスキルが手に入ったよね!」

 アシルさんは嬉しそうに笑った。


「──そういやさ、君、悪意のある声が分かるんでしょう?」

「そうですね、殴られてるみたいに感じて、痛いんで。」

 立ち去ろうとしたアシルさんが、振り返って不思議そうに俺に尋ねる。俺はそれにうなずいた。


「ひとつ不思議なんだけど……、どうしてヤクリディア王女の時は分からなかったの?

 君を利用しようとしてたんだし、なんでなのかなって、ふと思ったんだけど。」

 アシルさんはそう言って首をかしげた。

 ああ、そういうことか。


「ヤクリディア王女の場合は、自分がやってることを、全部いいことをしているんだと、思いこんでたからだと思いますよ。

 音が変わったのは、江野沢になりきって、俺のことを好きなフリしてたことを、指摘されてキレた瞬間からですね。

 王族だから、単に隠すのうまかっただけかも知れないですけど。」


 ヤクリディア王女は、勇者召喚も、その為に利用できる夫を選ぶことも、それ以外の相手との行為を楽しむことも、当たり前で必要なことだと思ってた。

 いいことを提案してるつもりでいたから、その時点では声に悪意がなかった。


 女って常に自分が正しくて、それを否定された瞬間からヒステリーをおこす。

 常に自分を江野沢扱いしてくる俺を、ほんのりウザく思ってたところに、否定されたことで、それが一気に悪意へと変わった。

 最初からそれを出してくれてたら、絶対江野沢となんて間違わなかったんだけど。


「──こちらにいらっしゃいましたのね、ようやく追いつきましたわ。」

 その声に空を見上げると、猛禽類の羽をつけた、おっとりお嬢様風銀髪ロングの美少女──ハーレム6人衆のリシャが、羽ばたきながら英祐を見下ろしていた。


 相変わらず、目の毒レベルの、すんげー露出。初めて見るエンリツィオの部下たちも、思わずザワつく程だ。

 しかもこれ、全裸にボディペイントしてるだけの状態に近いってんだから。

 おっかねえからタイプじゃねえけど、見た目とスタイルだけなら最高だから、つい見ちまうんだよなあ。


「ごめんねリシャ、急に呼び出して。

 船が動いちゃったから、結構探した?」

 英祐が申し訳無さそうに言う。

「いいえ、そうでもありませんわ。わたくしが英祐を探しだせないわけありませんわよ?思ったより時間はかかりましたけど。」


「そ……そうだね。」

 英祐が苦笑するように言う。

「それで、悪いんだけど、事前にお願いした通り、リシャに料理を作って欲しいんだ。

 僕らの地元の料理を、正確に再現出来るのなんて、リシャだけだと思うからさ。」


「もちろんですわ!

 イメージを伝えていただければ、わたくしに作れない料理なんてありませんもの!

 さあ、どんな料理がいいんですの?

 教えて下さいまし。」

 リシャは得意げにそう言った。


「ええと……そうだなあ。

 ──匡宏、恭司、何が食べたい?」

 英祐が俺たちに振り返る。

「……この方たちも召し上がるんですの?」

 リシャがちょっと嫌そうな目線を向ける。

「う、うん、駄目かな?」


「なんだよ、故郷の味を再現してくれるっていうから、久しぶりにマトモなメシが食えるって楽しみにしてたのに、英祐以外も食べるからって、そんな言い方しなくてもよ。

 あんただけが俺たちの希望の星なんだぜ?

 頼むから作ってくれよ。」

 恭司が不満げに、甘えるように言う。


「ま、まあ、そこまでおっしゃるのであれば、作って差し上げなくもないですわ。

 そうですわね、英祐のお友だちも満足させられるのであれば、それはただ英祐に料理を振る舞うよりも、英祐に喜んでいただける筈ですもの。それが出来るのは、わたくしをおいて他におりませんものね!」


「そうだね。僕に、友だちにいいカッコさせてくれる?リシャ。」

 英祐が嬉しそうに微笑みかけると、リシャの頬が赤く染まって嬉しそうに目を細めた。

「もちろんですわ!」

 随分自身満々だけど、ほんとに完璧に再現なんて出来んのかな?この世界にないのに。


「んー、そうだなあ、俺、トンカツが食べたいかも。ご飯と味噌汁付きで。」

「俺は唐揚げだな!あとご飯と味噌汁!」

「お前フクロウの癖して、唐揚げかよ。

 鶏肉食ってるとこ見て、みんなに引かれねえか?共食いだって。」


「フクロウはもともと肉食だろうが!」

「いてて!やめろって!」

 恭司が不満げに俺を突く。

「もー。喧嘩しないでよ。

 僕はそうだなあ……。中華丼かな。僕も味噌汁は欲しいな。出来る?リシャ。」


「知らない料理ばかりですわね。

 ちょっと見た目と味のイメージを、直接伝えていただけますこと?」

「どうすればいい?」

「目を閉じて下さいまし。」

「──こう?」

 ニヤリと微笑むリシャに、英祐が素直にすっと目を閉じる。


「そのままじっとしてらして……。」

 無防備にリシャの前で目を閉じた英祐に、リシャの唇が迫る。

「おい、英祐、セクハラされてんぞ。」

「──え?」

 恭司のツッコミに、リシャの唇が触れる直前で、英祐がパッと目をあけてしまう。


「ちょ、ちょっとリシャ!ほんとにそんな風にしないと伝わらないの!?」

 英祐が慌ててリシャから少し離れる。

「ちょっとあなた方。いいところでしたのに邪魔しないでいただけますこと?

 あなた方の分だけ、作るのやめて差し上げてもいいんですのよ?」

 リシャが不満げに俺たちを睨む。


「リシャ!」

 英祐が真っ赤になりながら抗議する。

「僕、好きになった子としか、そういうことはしないって言ったよね?無理やりそういうことするなら、今すぐ帰って貰うよ?」

 リシャがしょんぼりした表情で、

「ごめんなさい……。」

 とうなだれる。


「分かってくれたならいいんだよ。もう、こういうことするのはやめてよね?

 ──むぐっ?」

 リシャは英祐の唇を人差し指で塞ぐ。

「じゃあ、これくらいならいいでしょう?

 ……わたくし、こんなところまでたった1人で、英祐の為だけに来たんですのよ?」


 それを言われて、さすがに英祐も申し訳ない表情を浮かべる。

「これを認めてくださらないのであれば、わたくし本当に帰りますわ。

 ……動かないで下さいましね。」

 リシャの顔が近付いて、人差し指ごしに英祐にキスをする。そして唇をはなすと、英祐のおでこに自分のおでこをくっつけた。


 英祐は真っ赤になりながらギュッと目を閉じていた。童貞の俺と恭司からすると、だれそれがヤッたといかいう話しより、こっちのほうがずっとリアルでドキドキする。

 周囲が囃したてる中、リシャは堂々とした態度で、

「イメージは伝わりましたわ。さっそく厨房をお借りしますわね。」


 リシャはそう言うと、近くのエンリツィオの部下を捕まえて、厨房に案内させた。

「……凄いね、彼女。大胆だなあ。」

「おんなじようなのが、まだあと5人もいるんです……。」

 驚いた表情で、リシャの背中を見ているアシルさんに、両手で顔を覆ったまま英祐がそう言った。


「──さ、出来ましたわ。完全に再現しておりますわよ。どうぞ召し上がれ。」

 リシャがエンリツィオの部下に運ばせて、得意げにテーブルに並べた料理の数々は、確かにトンカツ、唐揚げ、中華丼、炊きたてのアツアツご飯、味噌汁だった。


「見た目と匂いは完璧だぜ……。」

「味も完璧ですわよ!失礼ですわね!」

 恭司の言葉にリシャが言う。

「──んっ!」

「うまっ!」

「やべえ!」

 俺たちは一口食べて驚いた。完全な日本食だった。そうでしょう、そうでしょう、とリシャが満足げに言う。


「おまえすげえな!」

「マジサイコー!ちゃんとした日本食、久々に食べた!米の炊き方も完璧だぜ!」

「リシャ、本当にありがとう!」

 恭司、俺、英祐から、満面の笑みでそう言われたリシャが、さすがにちょっと気恥ずかしそうに照れた。


「そ……そこまで喜んでいただけたら、作った甲斐がありますわね。船が獣人の国につくまで、でしたわよね?腕によりをかけて、あなた方の分も作って差し上げますわ。」

「やった!毎食日本食だ!リシャ最高!」

「見た目も可愛くて料理も完璧、もうリシャが彼女でよくねえか?英祐!」


「え?ええ!?」

 俺と恭司の後押しに、うんうん、とうなずくリシャと、戸惑う英祐。

「そ、そこはもう少し考えさせて……。」

 リシャがしょんぼりしてしまった。

「落ち込むなよ、まだ時間たっぷりあんだからよ。お前の良さを伝えていこうぜ。」

「そうそう、英祐は好意を受けるのに、慣れてねえだけだからさ。」


「そ、そうですわね!

 呼ばれたのはわたくしだけですもの!

 あなた方いいことおっしゃいますわね!」

 ちょっと元気が出たらしい。

 俺たちがリシャと盛り上がっている頃、チムチに残ったノアの前に、アスワンダムの1人、リンゼが立っていた。


「──なんだ?お前。変な色だな?」

 ノアはリンゼを見ながら、訝しげに眉をひそめた。

「よ〜やく見つけたよ。

 捨てられた“運命の絆”。

 うん、いー感じに糸が細くなってるね。

 ──その絆、僕がぁ、貰っちゃうねえ?」

 リンゼは細い目を更に細めて、胡散臭い笑顔で楽しげに笑った。

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