第182話





「「「「ご馳走様でした」」」」

「食器はそのままで良い。後でデザートがあるから、それまで自由にしてくれ」


 との事なのでお言葉に甘え、運びやすいよう纏めてから席を立つ。


「智恵も、今日はお友達といなさい」

「はい、お父様」


 食堂を後にし、そのデザートが出来上がるまで時間を潰すのも兼ねて燕翔寺に屋敷を案内してもらうことに。


「それにしても、メラノさんって普通の食事も摂れるんですね」

「あ、教えてなかったっけ」


 肉類ならともかく、普通に野菜まで食べていたことにとても驚きを感じた。


「私達は人より若干消化器官の機能が弱くてね、血液みたいにダイレクトに栄養を摂取できる物が好ましいと言えば好ましいけれど、かと言って食べられないわけじゃないんだ」

「成る程……」


 てっきり血液かワインしか飲めないと思っていた。


「お父さんなんていつもビール飲んでるよ。この前飲みすぎて病院に運ばれちゃったけど」

「一体何缶飲んだんですか」

「2缶も飲んじゃったんだよー?流石に飲み過ぎ」

「(嘘だろ……)」


 むしろ少なかった。





 

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