第137話




 1人の男が寮の周辺を歩いて回る。


「おやおやぁ」


 男が目にしたのは1人の女子生徒。ちょうど誰かと電話で話していたらしい。


 男は音もなくその少女の背後に接近し


「こんばんはぁ〜」

「ひゃっ!?」


 がっしりと肩を掴む。


「綺麗なお肌だねぇ〜」


 とっても、美味しそうだ。


「離してください!」

「うおっと」


 突如現れた青白い刃に一歩後退する。


「ああ、ハウンド。君もアレか、ハンターって奴ね」


 ま、どうでも良いけど。


 男の右手に現れたサーベルで少女のハウンドは容易く弾き飛ばされる。


「なっ!?」

「あ、そうそう。聞き忘れてた」


 男は顔を寄せながら少女に呟く。


「君が桐堂廻影かな?」

「ち、違います……!」

「そっかぁ。まあ、それはそれで美味しく頂くんだけどね」

「あっ、や、やめて……」

「そんなこと言ってぇ、抵抗弱くなぁい?」


 徐々に男の歯が、少女の肩に立てられる。


「ーーーーーーー!」

「ああ、素敵な味だ。とても美味しいよ」

「ーー!ーー…………」


 力が抜けた様に倒れる少女。それを尻目に男はその場を後にする。


「また1から探し直しかぁ」


 





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