第126話
「(まあ、この程度なら)」
今の私1人でも十分だが。
背後から襲いかかってきた一機を小夜時雨で串刺しにする。
「見え見えよ。素人が」
そのまま脚部を掴み、地面に叩きつける。
「あなたの養分も頂くわよ」
「〜〜〜!!!」
傷口に手を突っ込み、中の動力を根こそぎ回収する。また更に私の髪にエレミュートが補充されて行く。
「(さて、残り一機)」
問題はこのヤケにデザインに気合の入った最後の一機。
「(潜水艦を沈められたのが相当頭にきたみたいね)」
おそらくコイツはヤツらの主力機。周りにいたポンコツとは様子が違う。
「失せろっ!」
大江山がハウンドで斬りかかる。命中はするが、装甲も予想以上に分厚い。
「チッ、クソッ」
「はぁ……」
反撃を受け跪く大江山の前に飛び出し、その右腕部を切り落とす。
装甲は分厚くても人型の関係上、関節部は必然的に脆くなる。小夜時雨の切れ味なら、そんな物容易く両断出来る。
「ッ……何故助けた」
「あら、助けた覚えはないけれど?」
しかし、関節を全てバラしてコイツが再起不能になるかどうかは微妙なところ。
そんな時、ふと頭に浮かぶ。
本来お荷物になると思っていた燕翔寺。
だがその彼女の能力は蒼炎。奴の外装は金属製なのだから熱に弱くないはずはない。少し、賭けてみるのも良いかも知れない。
「燕翔寺、頼みたいことがある」
「なんなりとお申し付けください、お姉様」
やっぱりその呼び名は慣れない。
「私があいつの動きを止める。貴女はその隙をついて奴のボディを焼き尽くしなさい」
「承知いたしました、お姉様。どうぞこのわたくしにお任せを」
姉になった覚えは無いけれど、もう何でも良い。確実にコイツを仕留めさえすれば。
「………俺も加勢させてもらう」
「好きにしたら?」
「ああ、好きにさせてもらう」
すぐさま2本のライロー構える大江山。
「それじゃ、頼んだわよ。燕翔寺」
「はい、お任せください」
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