第103話
「いらっしゃいませ。あ、お連れ様ですね?」
いつもとは違い、今回はとある喫茶店で待ち合わせをすることに。
「あ、来た来た」
店に入るなり奥の方で件の待ち合わせ相手が手を振りながら座っていた。
今日もその格好なんですね。
「ボクのトレードマークみたいなものだからね。さ、座って座って」
言われた通り、向かいのソファに腰を下ろす。
「ちなみにここのオススメはガトーショコラだよ」
手渡されたメニューを見る。しかしそのガトーショコラとやらはどこにも見当たらない。
「ははっ、裏メニューってやつだよ。君、彼にアレを頼めるかい?」
「かしこまりましたオーナー」
オーナー?
「ここの店長がボクの知り合いでね。店員に何かとボクの事をオーナーと呼ばせたがるんだよ」
「成る程」と用意されたお冷を飲む。
「今日は少ないし、すぐ来るよ」
その言葉の通り、店員にガトーショコラが目の前に差し出される。
「食べてみると良いよ。絶品だよ」
言われて口に入れてみる。確かに美味い。
本物ですか。
「勿論さ。ここで出る料理に使われる材料は全てオリジナル、代替品は無し」
それは美味しい訳だ。フォリンクリのせいで原材料を獲得しづらくなった今では代替品で誤魔化していることが多い。しかし、やはりと言うべきか味はオリジナルに劣る。
「で、だよ」
この下手な話題の変え方、また新しい情報ですか。
「下手とはなんだ下手とは。でも、ご名答」
ニヤリと目の前の少女は笑う。情報屋でもやったらどうなんだろうか。
「一応ボクは公務員だからね。副業はダメだよ」
越権。と言う言葉が出てくるが口を紡ぐ。この人を怒らせても何のメリットない。
「日に日に成長し続ける少年。確実に実力がつきつつある中、飛燕の炎は消えかけていた。第7章、小さな炎」
「彼の運命はどう転がるのかな?」
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