第41話
「krrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!!!」
廊下に響く電子音。追いかけられている。しかもかなり近い。
「ま、待ってよ・・・!?」
「・・・・」
メラノさんには悪いが、ここで悠長にしてはいられない。奴はすぐにでも追いついてくる。
「待ってってば・・・!」
揺れる前髪から見えたその表情は苦悶の表情。
少し心苦しいが、それでも僕はメラノさんの手をつかんだまま全力で疾走する。
「あと少しですから。そこについたら休憩しましょう」
「う、うん……」
ゴールが見えるだけでも精神的にかなり楽になる。
「飛ばしますよ………!」
そのまま正面に見えた扉に飛び込み、抑える。
「メラノさん!」
「あ、うんっ!」
メラノさんの人形たちと交代し、僕自身は後ろに下がる。。一対多。戦いは数だというのならこちらが圧倒的に有利。
「くっ・・・・!」
しかし馬力が、純粋にパワーが足りない。これだけの数で押さえておきながら・・・このままでは押し負ける。だが・・・
「(それでいい!)」
メラノさんに目を向け、お互いに頷く。
「「せー、のっ!」」
人形達が一斉に散開し、扉を開放する。それと同時に人形は飛び出す。今だ!
「krr!?」
「もらったっ!」
横なぎ薙ぎ払ったロッカが見事命中。例の人形はそのまま柵を超え、真っ暗な夜の闇に消えて行く。
「なんとか、なったな……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
同時刻。学園都市上空には一つの人影が飛行、ではなく跳躍していた。
「間に合うといいのだけど……」
黒い長髪の少女はそうつぶやき、ビルの屋上に着地するとまた跳躍する。
夜はまだ、終わらない。
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