第106話 atmosphere

ドイツ語は、シミュレーションに向いているのか(笑)



ドイツの神様は、シミュレーションを続けた。


「元々、日本の電力は間に合っていたのだから

全く資本家の都合だけで、不完全な原子力発電が導入された。その不完全なものをそのまま使い続けて、運悪く福島は地震で崩壊した。」




「で、もしアメリカの指導者が攻撃的でなかったら?」と、アメリカの神様は問う。





まず、原子炉は研究目的以外には作れなかったはずで



危険で廃棄物が沢山出る核分裂炉は作られなかった。



結果として、火力発電の効率化が進む一方で

自然エネルギーの利用なども進んだはずだ、と


ドイツの神様は言う。





「大気汚染や、地球温暖化は?」とフランスの女神。








「それは、ほとんど嘘で。」と、アメリカの神様は言う。





地球が温暖化してると言うデータはない、と

地学に詳しいものは言うし


そもそも、人間の数が比較できないほど増えているので


それぞれ二酸化炭素を排出するし、エネルギーを消費するから、


ゴジラ並にね、と



ドイツの神様は笑う。







「なるほど。つまり、資本家の都合で

日本を経済的に侵略したのか」と、出雲神は言う。





まあ、日本企業も世界を侵略したが(笑)と

付け加えた。






「そう。ホンダやソニー、パナソニックが

世界を席巻した時期、アメリカは口惜しがって

日本を侵略しようとした。でも、そういう事も

世界の指導者から、攻撃性を少し省けば起こらないだろう」と、ドイツの神様は言う。




資本主義と言っても、一定のルールを国際的に

纏めればいいのさ。



と、ドイツの神様らしく理知的に言った。





そういう利己主義が、蔓延るのは

21世紀になってからだけどね、と(笑)。




「それまでの、ホンダ、ソニーの時代は

企業に魂があって。外国人も、ミスターホンダのスピリッツを買っていた。ソニーもそうだった。コストを度外視しても、使うひとの気持ちを考えたから。でもそれは、昔のメルセデスや、ポルシェ、フォルクスワーゲンも持っていたものだった」と、ドイツの神様は言った。



世界中、魂はあるんだよ。とでも言いたそうだった。






そういう魂は、攻撃性じゃ育たない。

やっぱり、道なんだ。と



スピリッツは、ドイツにもあるんだと

そう言った。




なぜ忘れたんだ、と訴えた。




それは、たぶん経済侵略者が悪いから。


その経済侵略者の攻撃性を抑止しようと言う考えに、わたしは賛同する。と



最後は意見陳述になってしまったドイツの神様。




でも、みんな同じ気持ちだった。


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