第93話 taste
横浜駅は、昔からの駅で
継ぎ足して増えてきたから、それだけに
いかにも日本らしい、スクラップ&ビルドの
構造がよく見える。
海の方へ、線路があった跡がそのまま見えているのは
地下鉄になった、東急東横線だったところだ。
「西欧にはあまりない感覚だな」「アメリカには多いね」などと
意見の別れる神様たちである(笑)。
それも、地域にあった生活があるからだろうか。
「横浜と言うと、中華だね」と、アメリカの神様は、いかにも楽しげだ。
駅のホームに、崎陽軒の売店はあるけれど
とても、降りて買い物をしている時間はない。
時間を止めて、なんて(笑)そんな事に
能力を使うのはやっぱり濫用だから
「残念だわ」と、フランスの女神は美食の国に
相応しい言葉(笑)。
「ほう、フランスは生クリームとバターの国かと思ったな。チャイニーズの味もお好みか」と、ドイツの神様。
「フレンチ・シノワと言うくらいですもの」と、フランスの女神は、にこにこ。
もともと、中華麺はイタリアンパスタだとか
そういう説があるくらい
親和的だったり。
ホワイトソースと、中華のクリーム煮込みとか
よく似た料理もある。
ミートラビオリと、餃子。
坦々麺と、ミートソース。
面白いものである。
「でも、日本で言う中華料理は、チャイニーズ
と違いのよね」と、フランスの女神は
さすがに食通である。
どんな外国料理も、日本ふうにアレンジメントする。
それも日本人の器用さであり、味覚への
強い民族性が伺われる。
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