第64話 魂

「侍の魂か。騎士の心なら分かるが。」と、ドイツの神様は言う。


「正義の闘士なら、わたしも」と、フランスの女神は、ジャンヌダルクのように(笑)。



「でも、ジャパニーズ・ソウルは、樹木や岩にすら宿るんだろう?」と、アメリカの神様。






そう、日本人は自然なるもの総てに魂があると

考える民族である。




そうして、「道」を極める事が生きて行く統べであるとした。




なので、損得など問題なく

人として自然なる八百万の神に恥じなく生きるのが日本人である。






「だから、経済や戦争で負けても

日本人に勝った事にはならないわけか。

なるほど、志を失った事にはならないからな。」と、アメリカの神様は理解する。



そんな表面的な事は、どうでもいいと言うのか。



めぐの国の神様は、日本、大和の国の神様が

なぜ、八百万の神様の中心と言われているのか

なんとなく解ったような気がした。






もっとも、その精神を受け継ぐ

本当の日本人は、少なくなってしまったようにも見える。





しかし、戦わずして勝っていると言う雰囲気はどこか、この国の民全体に漂っているようにも思える。




勝ち組、なんて言っている人物の方が

実は、志の高さとは程遠い人々で



庶民たちは、もともと相手にしていないようにも見える。





それは、歴史的にも日本の社会が

ずっとそうだったようでもある。



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