第53話 eV

遠く離れた日本では、神様たちが

一時平和になった、東京駅地下から

丸ノ内へ上がるエスカレーターに、並んで乗りながら


まだ、話をしていた。




「無駄なエネルギーなんだ。たががエスカレーターごときを歩いて上がったって数秒早いだけだ」と、ドイツの神様はそれらしい。




「まあ、人間は感情で生きているからな。

そういう低級な動作にもエネルギーを使う。

電子のエネルギーが1eV,原子核がMeV,素粒子がTeV....」と、アメリカの神様は

原子力利用国家らしい(笑)。




無駄なエネルギーの列挙に、それを使った(笑)。




素粒子エネルギーはまだ使えていないが。





「人間の心のエネルギーは、どうして最近は

ひとりで閉じるのかしら」と、フランスの神様。




エスカレーターが終点で、地上に出たが

2階が電車ホームなので、地下のように薄暗い。




「これからどうする?」と、ドイツの神様。



めぐの国の神様は「sunriseexpress、出雲行きに乗ろうかの」と

言った。

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