第35話 噛み合わない会話

小山内~小山内~

早く電話出ろ~


「もしもし」


「あっ、小山内か?ちょっと話がある」


「うん、どしたの?」


「あのさ…夏休みまだ未定なんだけどデートしないか?」


「ハァ~~~~~~!?何言ってんだよ!俺はそんな趣味ねぇよ!」


「いや、違うって!」


「違うも何も気色悪ぃな!」


「いや、だからダブルデートをだな…」


「ダ…ダブルデート?」


「おぅ、俺と小山内とだな…」


「だから嫌だって!」


「だから違うって!」


「何がどう違うってんだよ!」


「実はだな!重森を誘うぞ!」


「………………マジか?」


「おぅ!」


「マジか?」


「お…おぅ………」


「マ、マジか?」


「おぅ!!!マジだ!どうだ?重森の従姉妹がだな、実は彼女だったりしてな…」


「ハァ~~~~~!?」


「ハッハッハッ~!」


「重森ちゃんの従姉妹が重森ちゃんの彼女~~~~~!?」


「何だよそれ!?どう聞いたらそういう解釈になるんだよ…」


「それって…どういうことなんだ?重森ちゃん男側なのか!?」


俺は呆れてものが言えない…こいつどんだけ理解力無いんだよ…


「つまりだな、俺と重森と従姉妹と小山内と四人でダブルデートだ!どうだ!」


「……………何でだよぉ~、何でお前が重森ちゃんとデートで、俺がその従姉妹とデートなんだよぉ~」


もういいわ…こいつ疲れる…

普通わかるだろ…


「まぁ落ち着け!重森からお前を誘おうって思ってるってことだ!」


「え……………マジか?」


「おぅマジだ」


「……………マジでか!?」


「お…おぅ…この話しはだな」


「マジか!?」


「お……おぅ………マジだ」


「重森から言われるまで」


「ちょっ…ちょっ…ちょっ…マジか?」


「うぜぇな!お前は!」


「いゃあ…そうかそうか!やっと重森ちゃん俺の魅力に気づいたかぁ!そうかそうか!」


ダメだこりゃ…完全に自分の世界に入っちまってる…


「ま、まぁいい!とにかく夏休み日程決まったら絶対に空けとけ!いいな!」


「わかった!例え親が死んでも空けとくぞ!」


い…いや…それは流石に優先順位が違うぞ…


「これは重森から言われるまで知らないことにしとけ!いいな!」


「お…おぅ…わかった!知らないことにする」


「じゃあな」


「おぅ、じゃあな」


これでひとまずデートの段取りは出来た。

あとは…日程か…上手く皆が合う日が見つかるといいが…

理佳子と重森次第だな…

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