第62話 番外編・同僚がワクチン打たないと言い出した。その後2

 同僚から夕方に情報ソースのお返事が来た。


「YouTubeもあるけど、ニコ動のリンク貼りますね」


 ……「コロナワクチン中止嘆願書」の会見動画だった。再生回数増やしたくないので再生しないが、サムネや説明文で十二分にわかる。


 主催者の日野市議池田としえ氏は反ワクチン派で子宮頸がん(HPV)ワクチン被害者の会も務めている。ちなみに最近このHPV副作用被害者の会が沈黙しているのは「名古屋スタディ」という名古屋市独自の調査結果が公表されてからだ。


 簡単に言えば「名古屋市民からランダムにHPVワクチン接種者と非接種者を比較調査したら差異は無かったよ。だからワクチンの副反応との因果関係はないね」というものです。これが発表されてから副作用ガーと叫んでたマスコミは沈黙。私が知った時には接種推奨年齢(若くなくても自費で接種できる)を過ぎたおばちゃんになってたので、検診するしかない。ちくしょう、これはマスコミに騙された。

 そして、池田としえ氏は理由は不明ですが、自民党除名処分受けている。相当な何かをやらかしたのは確かだろう。


 二人目の主催者である徳クリニック高橋徳氏は「波動で治療」やら「宗教と医学」を出してるヤバい医者、ナカムラクリニックの中村氏も反ワクチンで「側弯症はワクチンが原因」と言うヤブ……ゲフンゲフン怪しい医者。側弯症の原因は先天性含めて腫瘍や外傷など多岐に渡るの知らんのか。


 で、動画は小林よしのりチャンネル。小林よしのりは説明不要だよね、正直ここまで書いておばちゃんおなかいっぱいだよ。


 頭の中にはアスカのセリフとドラえもんの「バカだねえ、実にバカだねえ」しか浮かばなかった。数々の公式サイト、ウイルス学者有志のサイト(クラファンで立ち上げただけで無償で運営)、河野大臣のデマ否定よりこんなトンデモ動画一回見ただけで鵜呑みにするバカだったとは。


 家に帰り、一呼吸おき、共通の同僚達に「彼女を絶縁覚悟で叱ってくる。相談きたら中立保っててください。なんならあちらに付いても構いません」とメールしてから、反ワクチン同僚に喝を入れるメール送信をした。


「あんなトンデモ動画一回見ただけで鵜呑みにするな! ドアホ!」

「主催者を調べろ! 反ワクチン派だらけだ!」

「1%の計算も合わん! (前話参照)電卓叩け!」

「打たないのは自由だ、副反応の心配もわからなく無い。しかし、反ワクチン動画見りゃネガティブ情報だけ集まるの当然だろう!」

「『フェイクニュースを科学する』を読め。三年前の本だから図書館で借りられる。それからトンデモ医療の末に亡くなった患者の解剖を経験した医者のTwitterツリーも参照しろ」


 一晩開けた現在(六月二十六日昼)、誰からも返事は来ません。あー、また敵を増やしたかな(棒)


 夫といい、同僚といい、そちらがトンデモや陰謀論という信念を貫くならば、私は私の正しい知識とフェイクニュースやデマと闘う信念を貫きましょう!

あるいは「よろしい、ならば戦争だ」でもいいが。


 味方は周りにいなくても、沢山の本や一部の正しい情報を発信するメディア(厚労省公式など)がある。

 要らんことに首を突っ込んで敵を増やすタイプの達見さん、また闘う相手が増えた瞬間であった。

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