第30話 やっとSHARPマスク当たるも夫は(ry
マスクエピソードをもう一つ。当たるかどうか分からないがエントリーしていたSHARPマスクの当選通知が届いた。
第三波が来る前に少しでも日本製マスクは揃えたい。スパコン富嶽さんも不織布マスクがベストと計算していたし。
「夫君、SHARPマスクが当たったから買うよ。だから着用……」
「やだ」
どうしてここまで頑なに着用しないのだ。
「あのさ、富嶽だって布より不織布マスクが飛沫飛ばさないし、吸い込まないって」
「だから黙ってれば大丈夫だって」
「いや、吸い込むし、目の粘膜からも入るし。そういえばメガネを出張先で紛失してから作ってないよね? メガネ着用の方が少しだけど飛沫直撃ガードできるのに」
「だから俺はかからないって」
なんで、こうも安全性バイアスが強いのだ。
「富嶽よりその根拠の分からない自信を取る理由はなんだ」
「だから、大袈裟に考えすぎなんだよ」
「あのさ、髪の毛抜けても味覚無くなってもいいの? 無症状でも後遺症出るよ? 食べるの好きなあなたに耐えられる?」
「その時はその時だよ」
また会話がループしてしまった。安全性バイアスが強すぎるのと、ASD特有の想像力の乏しさで万一の時が考えられないのだろう。
「ところで今度の連休に旅行行かない? Gotoトラベルで」
「だが断る」
「ええ?! そこまで嫌がるの?」
「イートもトラベルもやること自体理解できん。全国に均一に拡散させたいとしか思えん。大体、平時は私が何度旅行に誘っても嫌がってたのに」
「だって、経済的回さないと日本はつぶれるよ? 外国人だらけで混みすぎ京都も今ならガラガラだしチャンスだよ」
「嫌と言ったら嫌」
またも平行線な二人であった。
それから間もなく感染者数が増え、慌ててキャンペーンが延期になったのは皆様ご存知のとおりである。
これは学者達も見解が分かれているが、個人的にイートキャンペーンが広げてしまったと思う。飲んで気が大きくなって大声で話しやすくなるからだ。
そして、SHARPマスクサブスクが始まったと聞いて迷わず申し込みをしたのであった。
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