第9話 布製マスクへの流行、夫のガバガバ衛生観念発覚
ちょうどそのころ、安倍晋三首相が全国民に布製マスクを配布する。繰り返し使えるからそれでしのいで欲しいと発表があった。
そのころ、各メーカーも「そっか、布マスクでいいのか」とマスクを売り出し始めた。その直前に転売ヤーによるマスク転売禁止になったので私はグンゼのマスク、浦和レッズマスクを買って出勤してた。今思うと、レッズマスクなんてふざけてると怒られそうだが、慢性的なマスク不足だから怒られなかったのだと思う。
夫の分(もちろんグンゼ)も買ったけど、「まだ不織布のが残ってるから」と使わなかった。
あとで判明したが、衛生観念ガバガバな人なので、ずっと同じマスクして『節約』してたようだ。道理でなかなか底をつかないと思った。
外側にはウイルスが付いてるよと言っても「そんな大袈裟な」と聞かない。「内側の飛沫、つまり唾には何千万も雑菌があるからどっちにしても汚い。不織布は毎日替えなさい。布製マスクならまとめて洗うから」と言っても布製マスクは付けなかった。
この頃からノーマスクが増えていた気がする。暑くなってきた影響もあるが、感染しないか心配だから付けてとお願いしても「大袈裟だよ」と聞いてくれない。職場で注意されないのかと聞くと「窓口業務ないから喋らない、同僚達ともあまり話さないから大丈夫」と言う。
(ああ、〇〇課の皆様、うちの夫が迷惑かけてすみません)と嘆いたものであった。
ちなみにいつも石けん使わずに手洗いもしていたから、今回のコロナ騒動で使えと言っていたが使っていない事も判明した。
なぜわかったかと言うと、あえて固形石けんにしてみたのだ。「手洗いしたよ」というからチェックしたら表面は乾いていた。
「だめ、やり直し」と幼稚園教諭のごとく指導していたが、本人は「面倒くさい」が顔に現れていた。
子どもがいれば「子どもの手本にならない」と言う理由で矯正することもできたのかもしれないが、あいにく私達には子どもが居ない。
「旦那は産んだ覚えのない長男」とは良く言ったものだ。
もしかしたら、こんな状況で長年独身だった訳だから、こち亀の両さん並の免疫細胞でもあるのかもしれない。
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