晩翠
葉の落ちた街路樹の下
歩いているコートとマフラー
日が陰る頃の合図
飛んでいくのは浮いた雲
一面の銀世界で 佇んでいるポスト一つ
白い帽子を被ったままで待ち惚けるのは返事だけ
いつも通りに
いつもの通りを
同じ歩幅で歩く晩冬の街
あれからどうして
枯れ葉同士で
肩並べて歩く、
窓の外、街灯の上
積もっていくアンニュイと雪
何も無い部屋の中で目に付いたのは浮いた色
いつからどうして
見つからなくて 探し回っていた
ただ一つの温もり
泣き出しそうな顔でこっちを見ないで
目を塞いだ
想う、晩翠の記憶
いつも通りに
いつもの通りを
同じ歩幅で歩いた並木道
あれからどうして
返事が無くて一人過ごした
生きる、晩翠の中で
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