いつかの夜

夜だ。 僕は未だ大人に成れていない。


水槽の泡音、絶え間ない秒針、孤独感。


五月の夜風がカーテンの向こうで窓硝子を揺らしている。

その高揚感。


僕は未だ何も成し遂げられていない。



古い映画を観た。有名なSF映画。


原作小説は手元にあるが読み終えていなかった。


もしも小説を読み終えていたなら、

もしも映画をスクリーンで観ていたなら、


何か変わっていただろうか


僕は未だ大人に成れていない。



夜だ。 ただ孤独感。 風が吹いている。


眠って、終わらせてしまおう。

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