合流と進軍
「はぁ、やっちまったなぁ。先輩落ち込んでたりするかなぁ…… でもちょっと、沈んでてくれたら嬉しかったり」
ギルドに向かって空を翔けると、途中でそんなことをブツブツ言ってる狼男を発見する。
そんな彼の背中に向かって急降下。
そのままガツッと掴んで急上昇を決める。
「うわっ! なんだ! 誰だよ! おいっ、離せ! はーなーせー!」
まぁまぁ進んでからボソリと後ろから一言
「助けて欲しかったら金を出せ」
「いやお前から剣買ったから俺文無しだよ!! 知ってるだろライト?」
「なぁんだ気付いてたんですか」
「そりゃあそうよ。飛べるやつなんて限られてるし、街に敵が入ってきてたらもっと騒ぎになってる。それにこの羽の色とか……」
「あーー! もういいです。はい、僕の至らなかった点は……」
ちょっと巫山戯て奇襲してみたんだけど、バレていたみたいだ。
「てか今思えばエグイですね。空への急上昇怖かったでしょ?」
「いや、俺実は結構航空系のVRゲームが好きでな。Gとか結構慣れてるんだよ」
「へぇー。僕はもっぱらファンタジーが専門ですね」
「俺もそうなんだけどな。昔パイロットになりたかった影響か、たまにやりたくなるんだよなぁ」
意外なケーマさんの1面を知れた所で、櫓上空に到着する。
「どうやって降りようかなぁ……」
「降り方わかんないのか!?」
「いやぁ、なにぶん空初心者なもので。複雑な着陸とか苦手なんですよ」
櫓の窓への着地という、立体的な動作が難しい。
でも地面降りちゃうとまたモミジみたいなことが起こったりしちゃうもんなぁ。
「じゃあ俺がオペレーションするよ。そういうの得意だって言ったろ?」
「本当ですか!? じゃあ、宜しくお願いします!」
そういことになった。
ケーマさんのガイドに従うと、想像以上にするっする行くことができた。
そのまま着地。
中には約束通りホノカを初めとした先程のパーティメンバーとギルマスが。
「ただいま!」
「おかえりライト!」
「おっす…… お邪魔します……」
「ケーマ! ケーマ!!」
気まずそうなケーマさんを地面に下ろすと…… 突撃してきた。リーヒャ先輩が。
はてさて、ここは窓際。そんな所に勢いよく突っ込んで来られると……
「あっ…… やb」
「変態! 」
「ライト!」
「ライトさん!」
危ない落ちる落ちる落ちる! この世界に来てから数度目の浮遊感が僕を襲いそうになる。
腰が…… 逝くっ……
あわや落ちるかという時、ぱっと飛び出てきた赤い腕に捕まれ僕は引き戻された。
「これでさっき落とした件はチャラだな。変態。」
「いや、それは消えないけど…… ありがとモミジ」
「ほんっと落とすなんて非常識な…… ライト、大丈夫だった?」
「うん、大丈夫。」
相変わらずの謎理論だけど、助けられたのは事実。そこにはしっかり感謝しなくちゃね。
心配の言葉をかけてくれたホノカにも応えて、再びリーヒャ先輩の方を見る。
リーヒャ先輩はケーマさんに縋り付いて泣いていた。
「ケーマ…… ケーマ……」
「先輩、俺はここに居ますよ。」
ケーマさんが宥めすかすけれど、リーヒャ先輩から涙がこんこんと流れていく。
リーヒャ先輩の心情は痛い程よく分かる。仲間を喪うのは……
本当に辛い。
生き返りました。
はいそうですか。
なんてできない。
僕自身も涙が出てきそうになるけど……
我慢して2人に声を掛けようとした。
その時だった。
「お主ら、来るぞ」
それまで黙っていたギルマスが声を発する。そしてその視線の先には……
カァァァァ!!
子氷烏が全て倒されてしまったのだろうか。僕の
再び舞い上がる。
グチャグチャになった気持ちの中、僕らと氷獄鴉の2ラウンド目が始まった。
________
カクヨムのコピーサイトが発見され非公開になる作品も多いそうですが、拙作は特に害無しとして放置の方針です。
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