進化
撤退戦でも経験値って貰えるんだなぁ。文字通り経験が大事っぽい。
「ふむふむ~? 色々スキルも増えてるなぁ……めっちゃ魔法が増えてる」
街への帰路を、周囲に気を配りながら戦果を確認しつつ歩いていく。
「えっと……魔法が普通に魔法だよね? 火球ファイヤボールはまぁ使わないと思うけど……属性の矢が増えたのは嬉しいね!」
木々も薄くなり始め、そろそろ森が途切れそうだ。
「他には……やっぱり進化だよね! 」
そう! レベルが15に上がったことによって僕は、進化ができるようになっていたんだ。これで僕はもっと強くなって、氷鴉アイツへリベンジに一歩近づく筈!
「えーっと……まずは職業からやっちゃうか!」
僕の今の職業は、《弓兵見習い》と《魔法使い見習い》の2種類。まだ一回目の進化だから、大きくは変わらないと思うけど……
「ふむふむ。選択肢は……《魔法使い》《火魔法使い》《弓兵》《魔弓師見習い》《盗賊見習い》《短剣使い見習い》か……この中から2つ、ジョブを選べばいいんだよね? 」
誰にともなく確認しつつ、ウィンドウを長押しして詳細を表示する。
《魔法使い》
魔法使い見習いが辿り着く進化。魔法の威力、精度、覚える魔法の種類等々の魔法に関することにボーナスが付く。
《火魔法使い》
火魔法をよく用い、レベル2に成長させた魔法使い見習いが辿り着く進化。火魔法に大きなボーナスが付くが、それ以外の属性にマイナス効果が出る。
《弓兵》
弓兵見習いが辿り着く進化。弓の威力、精度、弓術スキルの取得難易等々にボーナスが付く。
《魔弓師見習い》
よく弓術と魔法を用いた魔法使い見習い&弓兵見習いが辿り着く進化。見習い職ゆえにボーナスは多少の威力上昇のみ。特殊進化
《短剣使い見習い》
短剣術スキルを所持した者が辿り着く進化。見習い職業ゆえにボーナスは多少のAGI上昇のみ。
「うーん、どれにしようかなぁ……」
結構悩む……《魔弓師見習い》は確定だとして、もう一枠なにで埋めるかだ。
「いや……アロー系統の魔法は結構覚えたし、もう魔法はいっか! 《弓兵》にしよう」
『Job.《魔弓師見習い》sJob.《弓兵》に進化しました。ジョブの進化を確認。今後はジョブレベルが明記され、15かその倍数になる度に進化が発生します。スキル【弓術】【魔弓術】を獲得しました。
おっと! 色々変わってしまったな……1つづつ見ていこう。
「ふむふむ。ジョブレベルはっと……あー、今回キャラレベルと同時に進化したけど、次は見習い職と普通職だからそうは行かないから、明記されるってことか。なるほどなるほど」
「えっと……【弓術】にはこれまで獲得した弓関連のスキルが統合されてる! 見にくかったから便利になってよかった。【魔弓術】は……弓術と魔法をセットで登録しておけるのか! あー、でも消費はその分ちょっと増えちゃうんだな。一応後で弄っておこうか。」
「称号は……僕が初めての進化者なのか。まぁ1日目だもんね。貰えるものは貰っておこう!」
ふむふむ。苦い思いはしたけど、アイツとの戦いはいい経験だったね! ふははは! 僕を強化して、自ら墓穴を掘ったことをを後悔するがいい……
「ふははは……! はっ! 意識が飛んでいた…… えーっと後は、種族だね」
僕の今の種族は、鳥人種の《type雛》である。羽の色は灰色で、空を飛んだりもできない。
このゲームの鳥人はハーピータイプじゃない。
説明が難しいんだけど……二の腕から手首の間くらいまでの手の外側に羽根がついていて、他の全身には羽毛が生えている感じ。
そのため弓の扱いには、殆ど障害は無い。多分身体的な特徴で、やりたいことがやれなくなる事の防止なんだと思う。
「んでもって進化先は……《type成鳥(無)》だけか。これに決定だね!それで、どんな感じなんだろう……」
とりあえず長押しして説明を読んでみる。
《成鳥(無)》
一定のレベルに達した鳥人。未だ無色であり、何にでもなれる可能性を秘めた鳥だワン。
「あー、これはダッキーが書いた奴か…… やっぱりこの先にも進化はあるっぽいね。ちょっと危惧してたけど、成鳥で終わりじゃなかったか!」
安心しつつウィンドウに映った文字をタップして……
『種族が
僕は進化した! 全身の羽毛や羽根は灰色から
、髪と同じ輝く様な蒼色に置換された 。そしてなにより……
「ひ、飛行だぁぁぁ!!! 」
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