青春死体! 続くやん


 相変わらずのクソダサジャージの皆さん。

 赤髪ロング赤目のお姉さん風の女性が吸血鬼。赤ジャージ。

 金髪碧眼、妹風のロリっ子が魔女、青ジャージ。

 黒髪黒目に青肌なのがゾンビ、緑ジャージ。

 茶髪に猫目で顔にお札が貼ってあるのが尸解仙、黄ジャージ。

 金髪に蛇みたいな目をしてるのがルシフェル、こいつはスーツ。


「なんか作者が外見描写始めたぞ……というか私キョンシーじゃねーっつってんだろうが!」

「どしたー尸解仙、また変な電波拾ったかー?」


 せんべいをバリボリ食らう吸血鬼。

 尻をポリポリ掻く魔女。

 直立不動のゾンビ。

 虚空に向かって叫ぶ尸解仙。

 そんな全員を横目に茶を淹れるルシフェル。


「何だ今回……描写が多いぞ……ずずず」


 ルシフェルの煎れた茶を飲む尸解仙。


「あつっ」


 猫舌だった。


「なんかさぁ……青春とかどうでもよくなって来たよなぁ」


 吸血鬼が一人ごちる。

 賛同者はゼロ。


「えっ、マジ、お前らまだ青春する気でいんの??」

「ハテナ多いんだよテメー」

「???」

「やんのかコラァ」


 尸解仙と吸血鬼がバチバチだ珍しい。

 魔女が仲裁に入る。


「ちょっと待ちなさいよ。まあ? 超インドアのこいつと違って? 私等は? 外でアクティビティが出来ますけど?」


 吸血鬼を煽る魔女。

 

「こいつ、アウトドアマウントを……!」

「アウトドアマウントってなんだよ」

「よーし! 今日は出かけちゃうわよ皆ー! 着替えろー!」


 クソダサジャージから正装に着替える全員。


 魔女は三角帽にローブ姿。

 ゾンビはボロ布。

 尸解仙はチャイナドレス。

 

「いざ行かん外ー!」


 曇天。


「フッ、フーハッハッハッハッハッ!!」


 タキシードにマント姿の吸血鬼がそこに。


「うぜぇ……雨降ったらお前のせいだからな! 死ねよ! 死んで詫びろよ!」

「死ねませーん。流水じゃ動けなくなるだけで死ねませーん」

「うぜぇ……殺っとくか……?」

「どうどう、まあこうなったら全員で行こうぜ?」

「そういや何処行くん?」


 何故かリュックサックに浮き輪を抱えて『山でも海でも準備万端!』みたいな状態の吸血鬼。


「東京ディ――」

「おいマジでやめろ」

「こほん、改めまして千葉ネズミーランド」

「甘〇ブリリアントパークがいい」

「ああん?」

「つうかどこがアクティビティだよ」


 吸血鬼と魔女がバチバチ。

 キマシタワー展開とか来ないのかな。


「お? いつもの調子に戻って来たな!」


 うるせー。続けます。全員を千葉までワープさせます。


「雑ゥ!」


 いいから年パス買ってこいやオラァン。


「という訳で来ました東京ディ――」

「だからやめろって」

「千葉ネズミーランド。まずはマウンテンから行きます」

「どのマウンテンだよ」

「小さな世界のがいい?」

「……うん」


 皆で小さな世界を楽しみましたー。

 次ィ!


「雷マウンテン!」

「私ジェットコースターとか初めてー」

「ジェットコースターって分類でいいのこれ?」

「うーあー」


 ゾンビ……すまんな……。何、言ってるか分からん……。


「吸血鬼、ゾンビ今、何言ったの?」


 尸解仙の助け舟。


「さあ? って」

「ふーん」


 ふーん。


「おい、お前のために聞いたんだぞ」


 次は新エリア! あなたの健康を守るロボットカート!


「おお、最近出来た奴だ」

「結構、不規則に動くらしいな」

「楽しみ」

「うーあー!」


 キャッキャウフフ。


「おい、ナレーションベースで済まそうとするな」


 チッ。


「舌打ち!? おい私とお前の二人漫談じゃねーんだぞこの小説!」


 ついつい尸解仙に頼りがちである。それは否めない。


「次、チュロス食いに行こうチュロス!」

「お、いいじゃん行こ行こ」

「うーあー」

「あ、ちょっと待って!」


 こうして四人は東京ディ――


『ピンポーン』


 誰だこんな時間に、はいはーい、今、出ますよー。


「ハハッ」

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