時空転生、デボン紀へ跳んだ
小学館の『大むかしの生物』の35頁にウミサソリ(プテリゴトゥス)の迫真イラストが掲載されている。どなたの命名なのかはわからぬが、まさにこれは「ウミサソリ」としか呼びようがない生き物である。
大きい奴になると、体長3メートルに達したそうだから、立派な怪獣である。こんな化物が現代の海水浴場に現れたら、たちまち大騒ぎになるだろう。ワイドショーの取材対象として、これに勝るものはあるまい。
ウミサソリの最大の特徴は、腕の代わりに生えている左右のハサミである。これを駆使して、三葉虫やら軟体動物やらを捕まえていたという。不漁の場合は、死肉や腐肉をあさっていたそうだ。いささか情けない感じもするが、食べてゆくということは、いつの時代も大変なのだ。
ウミサソリの繁栄期はシルル紀(4億4340万年前)と云われている。デボン紀(4億1920万年前)に入ると、新勢力たる凶暴魚類が台頭し、彼らの暮らしと生命を脅かした。その代表格が、ダンクレオステウスである。
2015年7月~10月。東京上野、国立科学博物館で催された「脊椎動物のたどった道/生命大躍進」の会場では、ウミサソリを狩るダンクレオステウスの獰猛な姿が、繰り返し映し出されていた。
同映像を観たことがキッカケとなり、俺は「古生物の世界」に興味を覚え、その門を叩いた。ともあれ、デザインがユニークである。無骨の中に滑稽味を漂わせている点がいい。このような生物群が「かつて、この星(地球)に棲息していた……」と考えるだけで、ワクワクする。男というものは(女性もそうかも知れないが)いくつになっても「怪獣」が大好きなのだ。〔11月2日〕
[Quinもわさんのコメント]
それまでのウミサソリらと違って魚は目が進化してたのも繁栄の理由とは聞きましたね。(獲物を正確に捉え、なおかつ危機察知能力がアップしてる為)
そこからさらに陸へ、あるいはより水中に適応し、あるいは陸からさらに空へと多様化する……長い進化と変革の歴史の前には人の歴史など小さいのを思い知らされますね。
[闇塚の返信]
なるほど。視力や視界の差は、確かに大きいですね。致命的とさえ云える。ウミサソリたちが敗勢(絶滅)に追い込まれた理由がわかりました。
まったくその通りですね。頭は多少いいかも知れないけど、ゾッとするぐらい、好戦的ですね。人類は。
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