第48話



晩ご飯は皆んなでウチで食べる事になったので買い物をして家に帰宅した。


「ただいまぁ、華帆かえってるかぁ?」


「おにぃおかえり!…うわ!!どしたのその頭!?何ちゃってイケメンじゃん!!、ヤバい!!面白すぎる!!」


俺を見るなり貶しお腹を抱えて笑う我が妹よ、兄は悲しいぞと思っていると


「やっぱり予想通りの反応だったね、華帆こんばんわ」


「まぁ華帆はこうだよな」


慣れた様子の香澄と裕也に対し


「いや華帆ちゃん、橙李カッコいいよ?ほら!!」


何故か必死になって妹に兄のカッコ良さを語ろうとしている結月

に華帆が更に笑いころげている


「そういえば華帆、母さんは?」


「あぁなんかまた出張だって、1ヶ月くらいの、さっき出て行ったよ。何か新規プロジェクトの視察とか色々って言ってた」


「…俺には何も無しか、あの親は!?」


「橙李ならほっといても死なないから大丈夫じゃろって、後華帆の面倒ちゃんとみろよだって」


「…まぁあの人倒れんのならいいけど…」


「あー大丈夫!!出張先広島で明日、明後日は地元の友達と遊ぶって言ってたし、むこういる間も実家で住ごすって」


「…自由だな、相変わらず」


「え!?おばさんまた居ないの!?」


俺と華帆が話していると香澄が驚いた様子で話に加わって来た。


「何か最近特に出張増えたんだよ、結月もあった事ないよね?」


「うん、前も居なかったよね?」


「あ、おにぃと結月さんに伝言ね!! 今度帰って来た時でいいからウチに遊びに来て、色々お礼したいからって」


「あー多分この前の病院の件だね、まぁ1ヶ月後だし」


「うん、私も会ってみたいな、家にも入っちゃてるしちゃんと挨拶はしておきたい」


結月が真剣な表情で話していると


「うわー結月さんってめっちゃちゃんとしてる人だ!!」


「確かに橙李にはもったいない」


「でも2人だとコソコソ、イチャイチャしてるからね、この2人!!」


と香澄達がイジってくるので


「わかったから、ご飯作るから適当にしてて、もつ鍋だけど辛いのと博多風どっちがいい?」


「「辛いの!!」」


「おまえらカップルは息ピッタシすぎるわ!!」


「いやいや、おにぃそこは両方でしょ?どうせ沢山買ってきてるんでしょ?なら2つ作ろう!!」


華帆めまたむちゃくちゃな事言いやがってと思いながらも


「あー分かった。なら適当に待ってて!!少し時間かかるからな」


「あっあとおにぃ前母さんの友達がベースとギターくれるって言ってたの届いたよ!!ちなみに私のはギブソンのSGスタンダードだったよ!状態めっちゃ良かったし、おにぃのはヤバいからちゃんと大切にしろよだって!!」


「お、なら華帆早速弾いてくれよ!」


「私も聞きたい!!橙李料理まかせた!!」


「はいはい!!結月もむこうで聞いてきていいよ、なんならギター教えてもらったら?」


言いながら料理を始めると


「私も手伝うよ!」


と言いながら一緒に料理を始めた。

リビングでは新しいギターを片手にハイテンションの華帆が歌いながら弾いている

2人で野菜を切ったりモツの下処理をしていると


「橙李はギター弾けないの?」


「んー弾けなくはないけど、ベースの方が楽しいから」


「ベースってなんか縁の下の力持ちって感じで橙李っぽいね」


「そうかなぁ?最初はなし崩し的に決まったんだけどやり始めたら奥が深くてね」


「色々趣味があっていいね!」


「まぁこの1年めっちゃ時間あったからね、バイクとベースはほぼ高校からだし」


「釣りは??」


「釣りは小さい時からかな、てか1人で黙々と出来る物が好きなだけ」


「あー楽器もそうだもんね、あ、だからか」


「ん??」


「いや、触り方がエロいのはベースやってるからかなぁと思って」


悪い笑顔でこっちをむきながら揶揄うように言うので


「いや関係ないでしょ?」


「いや瑞希曰く関係あるらしいよ?ピアノとか上手い人は上手って言ってた」


「…あの人大丈夫ですか?…」


「…あー深く考えたら負けよ?一応一途だし不特定多数同時には居ないけど長く無いだけだから…多分」


「…姉妹でこうも違うと面白いけどね」


「んー私は心を許したら凄いハマるしずーとその人ってなるけど、それ以外の時はそういうの嫌だから、なんか相手が何考えてるか分かるし、」


「結月ってちゃんと内面みて話聞いて欲しい人だもんね、で実は甘えたかったり」


「うぅーうるさい!!」


「ゴメンって」


「…でもね、だから今橙李の事凄い好きなんだよ?…ちゅ」


モツを下茹して洗っているといきなりキスをされた


「!?」


「…我慢してたし、向こうからみえないから…もう一回…ダメ??」


「…いいよ」


そのままお互いの唇をあわせた


「…今日はこれで我慢するね?」


「…はい」


「まぁ皆んないなかったらまたしよ?」


「おにぃー!まだー!!?」


華帆の声に2人で驚いてバタバタしてしまうと


「あれぇ、皆んなが見てないところでまたイチャイチャしてたのかなぁ?」


「いや、もう終わるよ!!ほらテーブルの上にカセットコンロとか用意して!!」


「…まぁいいや、おにぃやっとくからベース見て来なよ?私も見たいし」


そう言うと華帆達が手伝いに来てくれたので俺は部屋に行き届いていたベースのハードケースを開けると中の物にビックリしそのベースを持ってリビングに降りた



「華帆ヤバい!!!…コレTOPdogJRO03!!」


「は!?マジで!?」


「マジで!!ほら!!カラー青でほぼ色落ち無いしネックとかも剃ってないってか完全美品!」


「いや、ヤバすぎでしょ、値段付けれんじゃろそんなの」


「そうじゃけど、コレはヤバい!手紙に手入れの仕方とか書いてあるけど使えんじゃろこんなの」


「いやホンマに、てか私のも来た時にレスポールとSGどっちがええか来たてSG にしたらまたいる時言ってなって言ってたし」


「いやそれもヤバいじゃろ」


「あーじゃけベースはこれ以上のはやらんから大切にせーよっていっとんたんかあの人」


「貰えんじゃろこれ以上の物は」


「まぁおにぃ1本目でスティングレイの時点で普通じゃないけどね」


「いやホンマに俺貰えるのFenderのジャズベースくらいだと思っとったもん」


「まぁ普通はそうよね、…明日バイトは?」


「18時」


「スタジオいっちゃう??」


「あーでも持ち運び怖いなぁこれ」


「確かに!!」


「「「…」」」


「てか早く弾いてよおにぃ!!」


「チューニングしてるからアンプ持ってきて」


「りょ!!」


2人でハイテンションになっている中香澄が割って入ってきた


「あのー橙李さん??ご飯はー?」


「あ、もぅ出来た!?ゴメン!!一曲だけ!!」


続いて裕也が


「いや腹減ったし食べようぜ」


「おにぃお待たせ!!何弾く何弾く??」


「えー悩むなぁー」


「適当にとりあえず試し弾きしてみてよ」


とココで痺れを切らした結月が大声で


「橙李!!華帆!!ご飯の後にしなさい!!」


余りの声の大きさにビックリして我にかえり


「「すいませんでした。」」


2人でオカンみたいな姉様に謝罪をしご飯にする事にした。



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