第32話
カレーやビーフシチュー、ホイル焼きなどしている所はそれほど問題なく調整できたが香澄から
「橙李こっち、唯の班がヤバい事になってる」
と言われ行ってみると
瀧元、壇上、藤原、もう1人の男子が文句をいいながら何処かへ行っていた。
「唯大丈夫??」
と香澄が話しかけると
「…あ香澄、うん、もう1人の女の子と他の4人が揉めちゃってね、料理2人でしてるの」
と辛そうな顔で言ってるので
「唯ちゃん何作ってんの??」
「え!?橙李君?…ローストビーフと他の班から貰ったニジマスとご飯」
「わかった。ご飯たけてないなら炊こうか、香澄ローストビーフの様子見てみて、俺魚下処理してくる。多分まだ何もして無さそうだから」
といいもう1人の子が苦戦している魚の下処理をパパッとおえると
「橙李、ここからどうする?肉めっちゃデカイのそのままやってるから中全然生」
「あーなら半分に切って断面焼こうか、その後はホイルにくるんで遠火でイケるだろ」
といい調整をしながら
「唯、ソースとかある?」
「いや、ないみたい。」
「なら香澄ウチの班のさっきのレモンの皮みじん切りにして塩と混ぜて、簡単レモン塩作ろう、あとウチの明日用の味噌少しとミリン使ってミソダレとかいける?」
「あ、確かにならいける、唯ちょっとまってて」
といい香澄が離れていく
「…ごめんね?」
「え?別にウチはもう終わるから気にしなくていいよ。」
「てか橙李君上手だね」
「まぁほぼ毎日作ってるし趣味みたいなものだよ」
「助かった。皆んな勝手に物買って出来ないからって怒って…」
「よく頑張ったね、お疲れ様。」
ローストビーフをみながらそう言い頭をなでると
「ッッ!!!」
と顔を真っ赤にして離れたので
「あっごめん、他意はない!!」
「こっちこそごめん、ビックリして」
「てか明日の朝は??」
「…パンケーキにフルーツ盛るんだって」
「もう1人の子にそのフルーツ持ってきて貰って」
と唯ちゃんにお願いし取ってきてもらっていると
「アンタ見てたけどアレは惚れるよ?ほどほどにしなよ?」
と香澄がニヤニヤしながらいってきたので
「いや結月にやってる感じになって」
「あー惚気ですかぁ」
「うっさい!!」
と話していると
「「持ってきたよ」」
と2人で持ってきてくれたので
「なら今のうちに切れるの切っとこうか、香澄ソース出来たならコレ任せるわ、魚もそろそろだから2人は魚とご飯の様子みてて、」
と言い残しフルーツカットを始めると
「ねぇ香澄、橙李君ってあんな事も出来るの?」
「ウチの班の今日のご飯ほぼアイツだよ。食に五月蝿い癖に昔は外食嫌いだからって自分で作るあたりアホだよね」
「あー…確かに」
「まぁそのお陰でウチや裕也は常に美味しいもの食べれるんだけどね?…ってか仲直りはした?」
「うん、謝ったし、昨日も少し話したのに全然怒られなかった。むしろ謝られたくらい」
「アイツらしいわ」
「…なんか色々間違ってたのがわかってきたし、あの人に言われた意味もわかってきた。」
「あの人?」
「…ごめんね、香澄は知ってるんだよね?私が橙李君にした事、その時にあの美人な人に『逃した魚が大きかった事を後悔しないように』みたいな事言われて最初はめっちゃ腹たったけど、今思えば可笑しかったのは私って分かるし、この3日しか直接話してないけど橙李君のいい所沢山見えてくる。」
「まぁアイツ意識してない人に対しては男前だからね、好意を寄せた相手にはチキンすぎてキモいけど」
「ふふ…いいな、そんな何でも言い合える中、羨ましい」
「唯は今のグループそうじゃないの?」
「…うん、凄い無理してるの自分でも分かる。でも自分を変えたくて選んだのに、ああやって何も気にせずに普段通りの私にでも話してくれるとちょぅとね…」
「今更感強いね」
「…ホントにね、あーあー香澄に誘われてた時に一緒にお弁当食べに行けばよかった。そっちの勇気のほうが大事だったね」
「まぁ、いい経験なんじゃない?アイツもまだ付き合ってはないみたいだし、無理にとは言わないけどね、普通の友達くらいにはなってくれる奴だよ?」
「…ホントに?」
「アイツはくるもの、去るもの拒まずだからね」
「…そっか、…あと言えてなかったけど香澄もゴメンね、大切な幼馴染貶して」
「まぁそれはもういいよ、そうやって唯が気づいてくれたら充分かな」
「3人って似たもの同士だね、カッコいいな」
「それ橙李の前で言うなよ、調子のるから」
「ふふ、でも本当カッコいい」
「唯…」
「おわったよ、コレで明日楽だと思うからちゃんとコテージの冷蔵庫いれといて。…ん?なんかあった??」
「「いや、なんでもないよ?」」
「ならいいけど、魚も焼けたし、ご飯も炊けた、肉も大丈夫そうだから少し寝かせて切ったらいいよ、ソースとかも香澄が用意してくれてるし、アイツら呼んできたら?」
「そうだね、唯あとは大丈夫?」
「うん、2人ともありがとうね」
そのまま2人で班員の所へ帰って俺と香澄は残っているデザートを食べ始めた。
「…まさか唯の班手伝うとわね、橙李大丈夫だった?」
「全然気にもしてなかった。料理が楽しすぎた!」
「…アホの極みだね、ホント、でもアンタ将来コックさんとかむいてるかもね」
「え!?」
「ほら料理好きだし、やっぱそろそろ考えないとね」
「んー料理は考えてなかったなぁ、1年旅に出ようかなとか思ってたし」
「でた!!アンタ現地に馴染んで帰ってきそうにないからやめた方がいいよ、」
「んーまぁ考えてない事もないけど、なら大学かなぁ」
「え?やりたい事あんの?教えて」
「いや、明確じゃないからまだダメ、夏休み中には決まるさ」
「ふーん、まぁ私は陸上の推薦かなぁ」
「まぁお前と裕也はそうだろうね、でもお前こそそのまま陸上でいいのか?アイツNBAとか行くとか言い出したらどうすんの?アメリカで?」
「んー確かにそれが1番の心配かな、実際結構悩んでる」
「…まぁ1つ言えるのは裕也は俺かお前が居ないとダメになるって事だな、お前がいたら裕也は何処でも活躍出来るからお前が支えてやりたいかどうかだけだよ、まだ時間あるしお前の人生なんだちゃんと考えろよ?」
「…うん。わかった、」
「まっお前らなら大丈夫だよ、華帆じゃないけど、幼馴染ヒロインが幸せになる展開楽しみにしてるよ」
「大丈夫!!誰にもNTRせない!!」
「そそ、その勢いでプロポーズまでしに行こう!!」
「…流石に無理だけど、…裕也と2人っきりになりたい」
「…学校行事だからな、…ほどほどに」
とバカな会話をしつつコテージに戻って皆んなで話をしたりして夜を過ごした。途中、裕也と香澄が1時間くらい居なくなり帰ってきた香澄の顔が熱っていたのは誰も触れないようにした。
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