第29話


着いた頃には12時近くになっていてバスケも盛り上がっていた。

裕也達を探すにも人が多すぎて探せないので来たことを先生に報告し入り口付近で試合をながめていた。

すると後ろから


「橙李!!大丈夫だった??」


と言いながら香澄が走って来た


「特に問題なかったよ!一応来週また検査と運動1週間禁止かな」


「ならよかったけど、ってかいつもと匂い違う!甘い匂いする!」


「お前は犬か!あーこれ多分結月の匂い、さっき車で送って貰ったから」


「おー朝からイチャイチャしてから、慰めてもらった?」


「ウッサイわ!あとお前らだけにはイチャイチャとか言われたくない!」


「でしょ、私達の事羨ましいでしょ?」


「いやデートにメイド服着て行こうとするやつとか…」


「ウッサイ!ボケ!!」


「ッッタァ!!殴んなし!、あ、後結月からで美容院また行きたい時橙李と合わせて連絡してだって。」


「あ、なら来週の金曜日にしようよ!!確か試験前で昼までだったし、2人ともバイト休み?」


と聞かれ携帯でシフトの確認をして


「あー休みだね。ならその日にするか!また連絡しとくよ!」


「裕也にはナイショね、ドキッとさせてそれから…デュフフ…」


「…とりあえずヨダレふけ、」


「…あ、つい妄想が…」


「ってかお前の旦那何処だよ」


「旦那は後ろだよ!香澄お疲れ様、カッコよかったよ」


「あ、裕也応援ありがとうね、ただ今日女子に言い寄られすぎじゃない?…ちゃんと私だけ見てよ?」


「…可愛いな、お前だけだよ」


「ゆーくん…好き」


「…お前ら帰ってからヤレよ、裕也問題なかったよ!昨日はありがとな」


「ちょっとヤルって…まぁここじゃあ…」


「香澄暴走すんな、橙李お疲れ様、結月さんに沢山甘えたか?」


「お前らホント似たものカップルだな、ってかウチのクラスは?」


「あー香澄のクラスと同じでまだ残ってるぞ」


「そっか、次まで時間あるなら弁当食べない?香澄も」


「あーなら外で3人で食べるか」


と3人で体育館から出て行くと前から唯ちゃんがやってきた


「橙李くん、ちょっといい??」


少し気まずそうに話しかける唯ちゃんに裕也と香澄が不思議そうな顔をしているので、


「あ、裕也達先いってて、中庭のベンチだろ?話したらすぐ行くから、唯ちゃん場所かえる?」


「うん」


そう言い2人で校舎の方へ歩いていった


「…足大丈夫??昨日いたそうだったけど」


と心配そうに言ってきたので


「とりあえず問題はなかったよ、ってか懐かしいね」


「え?」


「いや入学してすぐの時にもそんな心配そうな顔で話かけられたから」


「そんなのよく覚えてるね」


「まぁね、俺には特別だったからね、それよりバスケは楽しい?」


「…んーまぁ運動苦手だし、ウチは香澄がいるからね」


「あーあることを除いて天才だからな」


「ある事?」


「裕也の事だとポンコツでエロい事ばかり妄想してるイタイ女の子だよ」


「え!?全然イメージない!!裕也君の事幸せそうに話しているけど、余りそんなの見たことない」


「なら今度、デートにメイド服はダメよって言ってみて、多分慌てるから」


「…なんか香澄のイメージが…」


「まぁそんな所がないと完璧すぎて近寄りづらくなるしね、案外抜けてるからいい奴なんだよ」


「…橙李くんって凄いね」


「え?」


「…あのグループいると誰かの悪口とかバカにしたりとか色々あるけど、香澄も裕也君も橙李君も誰かをバカにしたりしないよね?」


「んーまぁ人のイヤな所ばかり見て伝えても仕方がないからね、いい所見たほうが楽しいじゃん」


「…そう言う所か、香澄が褒めてた所は」


「ん?」


「…いやもっと早くこうやって頑張ってでも2人で話せたらよかったなって思って、RINEだけだとやっぱり伝わらない事もあるなって」


「確かにね」


「…図々しいかもだけど、コレからはまたこんな風に話してくれないかな?」


「あぁいいよ?全然、まぁそっちも色々付き合いあるだろうから任せるよ」


「…まぁね、……やっぱ優しいね……かな」


「ん?どうした?」


「いや、なんでもないよ?じゃ私行くから」


そういい唯ちゃんは笑顔で去って行った


「うん、またね」


そういい俺は2人の所へ歩いて行った。

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