第40話
お風呂に入って、一通りに体を洗い、頭を乾かして部屋へ戻ると、橋本さんがいなくなっていた。
部屋にある、小さな机の上には紙が一枚置かれていて、そこには『先輩。すいません。急用ができたので帰ります』と書かれていた。
かなり乱雑に書かれているこの書置きから、橋本さんがどれほど慌てて出て行ったのかが分かる。
・・・何故だろう。
これからという時に、ホテルに置いていかれたというのに、少しだけ。ほんの少しだけ、ホッとしていた。
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