第27話

 「鈴木専務。本当に何も覚えてないんですか?」 


 「うん」


 いつも強気の鈴木専務が、かなり弱気になっている。

 

 「別に責めてる訳じゃないんですよ。実は自分も記憶がなくて」


 状況から考えて、昨日着ていた服はそのままだし、部屋も荒れてはいない。だから、行為などはやっていない。と思っている。


 コンコンっと部屋がノックされた。


 「お客様、もうすぐチャックアウトの時間になります。延長をご希望の際はロビー申し付けください」


 

 ホテルの出入り口にて。


 まだ、先輩はホテルか出て来ない。

 かくなる上は、スタッフ全員を倒していくしかない。


 そんな覚悟をしていると、先輩がホテルから出て来た。

 私の先輩を連れて行った、ドロボー猫と一緒に。


  

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