第21話

 北海道に来た。


 「分かってると思うけど、今回は視察と商談の為に北海道に来たんだから」


 鈴木専務に釘を刺された。

 た、確かに商談の後に、美味しいで有名なお店に行こうとは思ってるけど、そこまで羽目を外す気はない。


 「なら、いいけど。今日は遅いからとりあえず、ホテルにチェックインするわよ」


 「はい」


 ホテルでチェックインする際、ここまで順調になに一つ問題は起きてなかったのに、ここにきて問題が起きた。


 「すいません、お客様。二部屋の予約になっておりません」


 何らかの手違いで、部屋の予約が一部屋しか取れていなかったのだという。


 「そうなんですか。仕方ないですねぇ」


 ・・・えっ。


 俺は少しだけ驚いた。

 鈴木専務は、仕事のミスに対してとても厳しい人だ。それは、自分の会社だけではなくだ。

 部屋にベットはないが、ソファがあるとの事で、この時は俺がソファで寝て、鈴木専務ベットで寝れば、何も問題ないと思っていた。



 先輩が止まったホテルの部屋が全て見渡せる距離にある、ホテルの部屋にて。


 最近、鈴木とかいう奴、マジでムカつく。

 先輩と何度も飲みに行って、しまいには、先輩と二人っきりで旅行へ行くなんて。

 

 「・・・先輩と同じ部屋?」


 先輩がホテルへ、チャックインしたのを確認して、どの部屋の窓に明かりがつくかで先輩が今日泊まる部屋を特定した。

 そして、その部屋をドラマでよくある、刑事の追跡の様に見張っていると、先輩の部屋に鈴木専務も一緒に居るのを確認できた。

 何で、男女別々に部屋を借りないのか。

 

 まさか、この後・・・。

 

 もし、そんな事になった時は、私はあの部屋に乗り込むしかない。

 そう思って、私は部屋に乗り込む為の準備を始めた。

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