第162話 ダンジョン攻略3
~ ダンジョン5階層目 ~
「あれは...ゴーレムですね」
私達の目の前に居るのは岩で出来た巨人ゴーレムだ。身の丈は約3mほど。見るからに頑丈そうな体だ。
「ステラさん、イケそうですか? なんか堅そうですけど」
「群れてないならなんとか。一体だけならイケると思います。フォローをお願いします」
「分かりました。気を付けて」
「ハァッ! ヤァッ!」
ステラさんが躍り掛かって行った。まずはゴーレムの足元を狙う作戦のようだ。
「グッ! か、堅い...」
だがさすがに一筋縄では行かないようだ。ステラさんが殴る蹴るを繰り返しても、ゴーレムはビクともしない。
「ステラさん! 危ない!」
そしてその巨体に似合わず、意外に素早い動きで岩で出来た巨大な腕を振り下ろして攻撃して来る。その度に私はステラさんを亜空間に避難させる。
それを何度か繰り返していたら、さすがにステラさんも息が上がったようだ。
「ハァッ...ハァッ...な、なんてしぶとい...」
「いったん休憩しましょう。幸いゴーレムはこの場所から動かないようだし」
「はい...そうします...」
「ステラさん、どうぞ」
すかさずセリカさんが冷たい飲み物を出す。時間停止する空間っていいよね。
「あ、ありがとうございます...フゥ...」
「ステラさん、戦い方を変えてみませんか?」
「例えば?」
「足元を狙うんじゃなくて、頭を直接狙ってみたらどうでしょうか?」
「えっ!? でもどうやって? とても届きませんよ?」
「届きますよ。見てて下さい」
そう言って私はゴーレムの頭付近まで亜空間を移動した。
「ほら、ちょうどこの辺りがゴーレムの頭ですよ?」
ステラさんを手招きする。
「ほ、ホントだ...凄い...横移動だけじゃなく縦移動も可能だなんて...カリナさん! 凄過ぎですよ!」
いやぁ、それ程でも~
「これなら倒せそうです! カリナさん、ありがとうございます!」
「あ、でもステラさん、亜空間から出る訳には行かないから、手か足だけ出して攻撃して下さいね?」
「分かりました! ハァッ! ヤァッ!」
その後、頭を何度か攻撃されたゴーレムは、やがて地響きを立てて崩れ落ちた。
「やったぁ! やりましたよ、カリナさん!」
「お疲れ様でした」
「ステラさん、お見事です! あ、でもゴーレムってどこをどうやって解体するんでしょうか?」
セリカさんが首を捻る。私もそう思ってた。どこもかしこも岩だもんね。
「ゴーレムの場合は頭の部分を持ち帰るんですよ」
「えぇっ!? この大きな頭を!?」
「えぇ、だからゴーレムを倒すのは行きじゃなくて帰りにするようにしてるんです」
なるほどね。なるべくなら持ち歩きたくないよね。
でもウチらには無問題だから頭を亜空間に放り込んで先に進もう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます