第161話 ダンジョン攻略2

「カリナさん、フォローありがとうございました。このやり方ならまだイケると思うんですが如何でしょうか?」


「そうですねぇ...じゃあもうちょっとだけ奥に進みましょうか」


 私も少しだけ楽しくなって来たしね。


「ポンコツさん、解体終わりました?」


「...いい加減、その呼び方は勘弁して下さいよ...っていうか、少しは手伝ってくれてもいいじゃないですかぁ~!」


 ポンコツさんの泣きが入った。


「お断りします。御先祖からの遺言で、魔物の解体だけには手を出すなと言われておりますので」


「スイマセン、私は疲れて手が上がらなくて...」


「うぅ...ステラさんはともかく、カリナさんのそれは絶対ウソですよね!?」


 あ、バレた? ポンコツさんのクセに鋭いな。


「取り敢えず、解体終わったら一休みしましょうか」



◇◇◇



「ポ...セリカさん、お茶のお代わり下さい」


「ポ...セリカさん、私もお願いします」


「また今ポンコツって言おうとしましたよね!? もう知りません!」


 ポンコツさん改めセリカさんが怒っちゃったので、弄るのはこの辺りにしておこう。喉渇いちゃってるし。 


「ちなみにステラさんはこのダンジョン、何階層目くらいまで行ったことがあるんですか?」


「私は昔の仲間と10階層目まで行ったことがあります」


「じゃあ目標はその辺りにしましょうか」


「はい、よろしくお願いします」


「あ、あの、ちょっといいですか?」


「セリカさん、どうしました?」


「確かこのダンジョンって、10階層毎にフロアボスと呼ばれる強い魔物が出るっていう話を聞いたんですけど、それも倒すおつもりでしょうか?」


 そんなのが出るんだ。知らなかったね。


「あぁ、いえいえ。さすがにこの人数でフロアボスに挑む気はありませんよ」 


「それだけ強いってことですか? 名前からして強そうですけど」


「もちろんです。本来はレイドを組んで相対すべき相手ですから」


「レイドってなんです?」


 また分からん単語が。


「複数のパーティーが組んで一緒に戦うことです」


「あぁ、なるほど。力を合わせて戦わないと勝てない相手ってことですか」


「そういうことです」


「だったら今回は無視する方向で行きましょう」


「えぇ、それがいいと思います」


「ちなみにステラさんはレイドの一員として、フロアボスと戦ったことはあるんですか?」


「いえ、私はありません」


「あ、私も無いんですが、話には聞いたことがあります」


「セリカさん、フロアボスってどんな魔物なんですか?」


「デッカいモグラだって聞きました」


 モグラか。思ってたよりなんか弱そうじゃない?

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