第159話 ポンコツはどこまで行ってもポンコツ

 ステラさんが呆気に取られている。


「ステラさん! ボーッとしてる暇は無いですよ!」


 私はオークの群れに囲まれているステラさんをサポートする。


「ハッ!? す、すいません!」


 気を取り直したステラさんと二人でオークの群れを殲滅する。


「フウッ...なんとか終わりましたね...」


「すいませんでした...手伝って貰っちゃって...」


 ステラさんが小さくなる。その側では額に絆創膏を貼ったセリカさんがグズグズ涙目になっている。


「ステラさん、これで良く分かったでしょう? セリカさんがポンコツだって。さぁ、帰りましょう。私達は魔物狩りに向いていないパーティーなんです」


「ま、待って下さい! も、もう一度! もう一度だけチャンスを!」


 セリカさん、その自信はどっから来るんだ? 信じられない...小一時間くらい問い詰めたいんだが...


「カリナさん、セリカさんもこう言ってるし、もうちょっと先に進んでみませんか?」


 ステラさんまでなにを言い出すのやら...私は段々頭が痛くなって来た...全くもう...人の気も知らんと...


「そうは言ってもステラさん、オーク程度ならまだしも、これ以上魔物が強くなったら私ではサポート出来ませんよ?」


「大丈夫です! 私が頑張りますから!」


「わ、私も本気出しちゃいます!」


 ステラさんはともかく、セリカさんが本気を出しても意味が無いんだが...ハァ...仕方ない...もう少しだけ付き合うか...


「分かりましたよ。ただし、危なくなったら問答無用でお二人とも亜空間に放り込みますからね?」


「「Yes,Ma'am!」」


 いやだからそれ何語? 二人してハモってるけど流行ってんの?



~ ダンジョン2階層目 ~



「セリカさん! キラービーの群れです! 弓矢で応戦を!」


 ブンブンと羽音を響かせながらデカい蜂が襲って来た。それにしてもデカいな。一匹一匹が小型犬くらいの大きさがあるよ。


「任せて下さい! エイッ!」


 スカッ! 


「セリカさ~ん!」


「ご、ゴメンなさ~い!」


 はい、亜空間に強制送還。



~ ダンジョン3階層目 ~



「今度はトロールの群れです! セリカさん! 援護を頼みます!」


 トロールは手に石斧みたいな武器を持った毛むくじゃらの亜人だ。身長は成人男性よりちょっと高いくらい。力は強そうだな。


「今度こそ任せて下さい! テイッ!」


 スカッ! ベチャッ! ← これは剣を振り翳して向かって行ったが、トロールに難なく躱され地面に倒れ込んだ音。


「セリカさ~ん!」


「ご、ゴメンなさ~い!」


 はい、亜空間に強制送還。


 ...これいつまで続けんの?


 いい加減疲れて来たんだけど...




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