第81話 招待したライブ
俺は自宅に戻ると、さっき書いたメモをきちんとパソコンでまとめていた。
これで、見返した時にも分かりやすくなるだろう。
「よし、これで終わりっと」
保存を完了させると、俺はパソコンを閉じた。
「ご飯だよー」
リビングの方から瑠奈の声が飛んできた。
「はいよー」
俺は自分の部屋から出ると、ダイニングテーブルについた。
「明日、お兄ちゃんは何時に行くの?」
「普通に仕事あるから午前中には行くかな」
明日は瑠奈や書道家の綾辻さんを招待している、Whiteが出演するライブの日である。
「なるほどね。私は、このチケットに書いてある時間に行けばいいんでしょ?」
「うん、確か16時から会場入りはできるはずだよ」
明日のライブは16時半が開演時間なので、その30分前から会場に入ることはできる。
「分かった。じゃあ、私はそのくらいの時間に行くね」
「了解。多分、俺は先に会場に入っているから」
「はーい」
そんな会話をしながら、夕食を食べ進めて行った。
♢
翌朝、俺はいつも通りの時間に家を出た。
そこから、事務所に向かって電車と歩きで向かう。
今日は土曜日なので電車はそこまで混んでいなかった。
「やるかぁ」
事務所に着いてから俺はパソコンを開く。
来月のWhiteのスケジューリングがまだ途中だった。
なんとか、今日中には終わらせておきたい案件だ。
俺はメールと、手帳を見ながらスケジュールを調整して行った。
「はぁ、終わったぁ」
大きく伸びをしながら口にした。
あとは、これをプリンターで印刷すれば完了だ。
「お疲れさん。四宮くんもコーヒー飲む?」
望月さんがいつの間にかそこに居た。
「社長、いつの間にいたんですか。すみません、頂きます」
俺は望月さんから缶コーヒーを受け取った。
「最近、頑張ってるみたいだね。Whiteも順調に成長しているみたいだし」
「ありがとうございます。俺より、みんなの方が頑張ってくれてますよ」
缶コーヒーのプルタブを開けると、俺は一口飲んだ。
「アイドルオーディションの方は順調かね?」
「ええ、今色んなところに発注をかけています。きっと面白くなると思いますよ」
「四宮くんがそういうなら安心だな。期待して待ってるぞ」
そう言って、望月さんは社長室へと戻って行った。
俺はWhiteの来月のシケジュールを印刷して、コンビニで買っておいた少し遅めのお昼ご飯を食べた。
「よし、そろそろ行くか」
時計を見ると、もうここを出た方がいいくらいの時間だった。
俺はジャケットを羽織って、カバンを手に持つと事務所を後にした。
そのまま、歩いて数分のところにある、今日のライブ会場へと向かった。
そういえば、今日の対バンライブにはブルーシンデレラも出ているらしい。
俺は少し期待していた。
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