第8話 SNS戦略一歩目

 俺はSNS戦略を実行するために、アイドル3人を引き連れて出かけることにした。


「望月さん、ちょっとSNS戦略に出かけてきますー」


 俺は一応報告しておいた。


「はいよー。行ってらっしゃい」


 望月さんはそう言って、軽く手を振るだけだった。

おそらく、俺が何をしたいのかを知ってのことだろう。


「よし、いこうか」

「はい!」


 エレベーターで事務所の下まで降りる。


「今の流行り的にはコスプレか彼氏感だろうなぁ」


 俺は歩きながら、スマホを操作していた。


「あの、どこに行くんです?」


 後ろを付いてきている莉奈に尋ねられた。


「ん? すぐそこだよ」


 秋葉原の街を歩いていた。

もう、この街も慣れたものである。


「この中に、タバコとか吸う人っている?」


 俺は3人に尋ねた。


「私だけだと思います」


 そう言って、美穂が手を上げた。


「これは使えるかもしれないな。今、持ってる?」

「ええ、一応」


 美穂は紙巻きタバコの箱をカバンの中から取り出した。


「了解。もうそろそろ着くから」


 歩くこと数分、俺たちは目的地に到着しようとしていた。


「ここここ」


 俺はとあるビルを指さして言った。

ここは、いわゆるレンタルスペースみたいな感じなのだが、コスプレ衣装なども取り扱ってくれている。


「3階に行きます」


 エレベーターのボタンを操作して3階へと向かう。

そして、受付をしていく。


「お疲れさん。今から行けるか?」

「四宮さんじゃないっすか。もちろんっすよ」


 ここはオーナーと知り合いになったので、だいぶよくしてもらっている。


「とりあえず、3時間くらい頼むわ。それと、男ウケしそうな衣装も見繕ってくれ」

「かしこまりっす。ここの部屋使ってください」


 いつもの店員さんが部屋を用意してくれた。


「お待たせー。行こうか」


 受付から少し離れたところで待っていたメンバーたちのところへ行き、そのまま用意された部屋に向かった。


「すごーい」

「え、可愛いー」


 メンバーたちが口々に感想を言った。


「四宮さん、すごいですね!!」


 莉奈が興奮気味に口にした。


「そうだろ? まあ、早速やりますか」


 部屋にはコスプレ衣装も用意されていた。


「莉奈はナース、美穂はメイド、友梨はこのアイドルっぽい衣装に着替えてくれ」


 俺は直感的に思ったものを指示した。


「覗かないから安心してくれ。なんなら、部屋から出ていようか?」

「いえ、その心配はいないですから大丈夫ですけど、どういう基準で選んだんですか?」


 莉奈が不思議そうな表情を浮かべていた。


「まあ、男が好きそうな衣装から、それぞれが似合いそうなものを選んだ。それだけだ」

「なるほど。とりあえず、着替えてきます」


 そう言って、メンバーたちは奥のスペースに着替えに言った。

その間、俺は次の作戦を考えているのであった。

 

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