第4話 暴走するレベッカ夫人

自分の妄想というか願望が、幻聴となって聞こえたようだ。


ダメだ、ダメだ!


女性と夜の生活について話をするから、混乱しているようだ。


「ねえ、アタルさん、私と魔エッチして検証しましょうね」


幻聴じゃなかったぁーーーーー!


この人は何を言い出すんだぁ!


新婚で妻が目の前に居るのに、人妻、それも貴族の御夫人が言うことではないだろう。


「妻以外とそういった行為をすることは出来ません!」


妄想でなら何度も……。


なんかのトラップなのか?


「あら、思ったより真面目なのね。でも、ラナとクレアも了承してくれたわよ」


なんですとぉーーー!


いやいや、それは立場的に仕方なく了承したのでは?


もしかして脅したのぉ!


「あははは、妻も立場的に仕方なく了承しただけで、快くは思っていませんよ」


「あら、でも、」


「旦那様、聞いてください!」


えっ、なんでそんな必死な表情で!?


ラナはやはり脅されたのかぁ!?


「今後のことも考えて、レベッカ様の提案を快く受けさせて頂きました。クレアさんも納得しています!」


えっ、えっ、えええぇえぇぇぇ!


待って! 待って! 待ってぇぇぇ!


ラナもクレアも納得しているとは、どういうこと!?


「旦那様に愛されるのは嬉しいです。でも………、私達は恐いのです!」


何が恐いの! やはり脅されて!?


「2日に1度、一晩なら問題ありません。でも、……毎日は無理です!」


クレア、それは、……どういうことぉ?


「旦那様のお相手をした翌日は、仕事が疎かになりがちです。ポーションで体は何とかなりますが、精神的には……」


えっ、そんなに辛いのぉ~。


「魔エッチは後を引きます……」


………。


「アタルさん、お腹に子供が出来たらどうするのかしら。お腹に子供がいてもなんとか出来るけど、どちらかが毎日お相手することに不安に感じているのよ」


くっ、それぐらい我慢できると言いたいが、今はまだ……。


加護のせいで……、私は我慢できるのか!?


みこと♪『加護は関係なく、アタルさんには無理だと思います』


転子『私もアタルには無理だと思うのじゃ!』


クソッ、気軽に神託いってくれるじゃねえかぁ!


ラナがさらにとんでもない事を言い出す。


「旦那様には相談しましたが、子供はメアベルの出産までは待つことにしました。でも、メアベルが出産したら、メアベルを妾にしようと考えて、すでに本人も了解しています。

メアベルは弟の跡継ぎを育てる使命があって、再び結婚することは難しいのもあります。彼女はまだ若く、本人も旦那様なら喜んで妾になりたいと言ってました。

だ、だけど、メアベルだけでは……」


なんですとぉ~!


私の知らない所でそんな計画が進行しているとは!


私の意思はどうなっているのぉ~。


そうだ、加護を無くせば問題ないはずだ!


みこと♪『加護は取り上げるのは天罰と同じ意味になります。反動でたなくなるかも……』(嘘です)


くっ、それだけは受け入れられない!


「そういう事で私も話を聞いて、魔エッチの効果を考えると検証は必要だと思ったのよ」


でも、レベッカ夫人とするのは別の問題が……。


「何とか我慢して、」


「「我慢して欲しくはありません」」


いやいや、クレアとラナが一緒に言うけど、普通は奥さんが我慢しろと言うよね?


あっ、我慢しろと言えば、自分達がその反動が帰ってくると!?


「もし、もし仮に検証するとしても、レベッカ夫人は不味いでしょう」


「不味くなんかないわよ。貴族の妻は子供を作れば、夜のお勤めはほとんど無くなるし、他の貴族家では妻が夜の相手を用意するのは良くある話なのよ」


他の貴族家がそうだとしても、レベッカ夫人の旦那さんはハロルド様の息子だし……。


「でも、さすがにハロルド様に申し訳がありません」


「すでにお義父様とは話が付いているわ」


あっ、先程の言葉の意味はそういうことぉ!


あっ、セバスさんも知っているという事かぁ!


「それでも、私としては……」


「私ではイヤなの! たしかに子供が居て年齢的にもいい歳よ。でもラナやクレアもいい歳じゃない!」


イヤなんてまったく思いません! それどころか……。


なんかレベッカ夫人が追い詰められたような表情で、こ、恐い!


「レベッカ夫人がイヤだということではありません。倫理的に良くないと、」


「ダンジョンでエッチする人が倫理とか言わないで!」


す、すみません……。


「私だって主人のことは愛してるわ! でも……。


女としても愛されたいのよ! エッチがしたいのよ!


今年はアリスを連れて王都に行くことになったのに、主人は私が必要ないのよ!


王都には側室が既に3人もいて、妾は何人いるか分からない……、グスッ。

領地の事はお義父様と私に任せて、あの人は王都にずっと、ずっと他の女と……、グスッ。


それでも、他の貴族のように私は男を作ったりしなかったのに……。


主人は新しい側室を迎えると連絡があったわ!


あの人は優しいし、仕事もできるわ。


でも、でも女にだらしない!


アリスは王都に行けば、私など必要のない大人の女性になるのよ、グスッ。


だったら私だって好きにしても良いじゃない!


そうよ! 魔力量が増えるなんて最高じゃない!

1日に何回も、気を失うようなエッチなんて最高じゃない!

身体が混じり合うようなエッチなんて最高じゃない!


私だって思いっきりエッチしても良いじゃない!


グスッ


ねえ、お願い! まだ私が女であると教えてよぉ!


どうせなら最高の思い出をちょうだいよぉ~!


もう、私はギリギリなのよぉ~!


わ~ん!」


えっ、えっ、どげんしたらよかと!


言いたいことを言いまくったレベッカ夫人は、最後には子供のように泣き始めてしまった。


めちゃくちゃ話しているようで、なにか心に響くものがある!


それでも……。


クレア「旦那様、私も最初はイヤでした。だって旦那様がレベッカ様に奪われて、私が捨てられるかと……、でも、でも、他の女よりレベッカ様のほうが安心です。だって、旦那様の妻にはならないのだから……」


イヤなら薦めないでぇ~!


ラナ「レベッカ夫人はずっと姉のように優しく接してくださいました。旦那様を共有することで、本当の姉妹のように………」


どないな姉妹やねん!


転子『地球の常識は捨てるのじゃ』


はあっ、お前が常識とか言うんじゃねぇ!


みこと♪『彼女だって女としての幸せよくぼうは必要よ。わかってあげて……』


くっ、良い事を言っているようで、楽しんでいるだけの気もするぅ~!


私は平凡でまったりとした人生を普通に過ごしたいだけなのに~!


みこと♪『2人の嫁を同時に娶っておいて、よく言うわ。ボソッ』


転子『この世界を変えてしまうような魔道具を、自重なく創って、よく言うのじゃ。ボソッ』


くっ、神託で『ボソッ』を付けるんじゃねぇーーー!


まるで子供のように泣きじゃくる、レベッカ夫人を見ると可愛くて、エロイんだよ~!


私は、私は、恐いんだぁぁぁぁぁ!


サキュバス属性のレベッカ夫人とエッチすると、なにか色々と吸い取られそうだし……。


自重できなくなるのが、恐いんだよぉーーー!


転子・みこと♪『『もう手遅れじゃ(ね)ボソッ』』


くっ、吹っ切れたぁーーーーーーーー!



   ◇   ◇   ◇   ◇



その後、レベッカ夫人に了承したと伝えると、遠慮なくぽよんを押し付けられながら抱きつかれた。


それでも慎重に事は進める事となり、セバスさんも含め妻たちの話し合いで、極秘に計画の準備をすることになった。


専用の宿泊部屋が用意され(私が造り)、当日はアリスもシャルやミュウとお泊り会にくることになった。


なぜか検証のはずが、レベッカ夫人とは3日に1度の逢瀬になる事を、私の知らない所で計画されていた。


話合いから3日後に、私はサキュバスに色々と吸い取られてしまったが、これだけは言っておきたい。


後ろめたいエッチは最高だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!






──────────────────────────────


作者より


レベッカ夫人サキュバスの秘め事は性的表現も含まれるため、後ほど閑話として具体的な内容を投稿する予定です。


性的表現が苦手な方や不快に感じる方は、全体のストーリーとしては読まなくても大丈夫なようにしました。


ただ、レベッカ夫人サキュバスに対する主人公の欲望も含め、読んで頂きたいと思います。


レイティング(R15)の関係上、ギリギリを攻めるつもりです。

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