花を生け続ける姫君

作者 永都佐和(宮澄あおい)

戦国の世に手折られた花。この世界では、強く咲き誇ることなどかなわない

  • ★★★ Excellent!!!

戦国の世を生きた、ひとりの姫君。彼女をこの上なく優しく見守る乳母。
とても美しく鮮やかに、さらに読みやすく書かれていますので、歴史に詳しい方もそうでない方もどんどん読み進めることができます。

歴史ならではの描写の中に、キャラクターたちが生き生きと描かれます。
姫君を慕う乳母の目線で描かれていますので、美しく、はかなく、幼い姫君の姿を読者も真剣に追うことになるでしょう。

だからこそ、彼女がたどる残酷な運命が読者の心をも大きく翻弄します。
女性として生まれなければ、姫君としてこの戦国に生を受けなければ――
次から次へと襲い来る歴史の奔流に。天下に荒ぶる男たちに。
たおやかだった姫君は、その姿を変えていく。
無垢なままでは、生きていけなくなる――

とても長い激動の歴史絵巻を読み終えた心境ですが、たった二万文字だったんですね……。
壮大な歴史ロマンがお好きな方、ぜひご一読ください。

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