花を生け続ける姫君

作者 永都佐和

貴女こそが、花でした

  • ★★★ Excellent!!!

温室でたいせつに守られて咲くべき花が、道端に放り出され、水も思いやりも与えられないのに、「こちらの言う通りに美しく咲け」と命じられる。
この物語のヒロインは、そうした理不尽な運命の姫君です。
周囲は自分本位な人物ばかりで、姫君の想いは置いてけぼりどころか、踏み荒らされるばかり。
けれど可憐で美しい温室育ちの花は、「ならば荒れた道端に打ち勝ち、咲く花になろう」と、懸命に生き抜きます。その身に毒を帯びようとも。

美しい情景描写が、世の残酷さと運命の過酷さをも際立たせますが、私は読後、不思議な爽やかさと、染み入るような感動を得ました。
それはきっと、姫様の鮮やかな生きざまのおかげ。賛否あろうと、私は心から「本当にがんばったね」と拍手を送ります。

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