第6話
「ん」
林ユーコは俺の顔を舐めるようにジロジロ見た。
「やめろっ...!」
俺は正体がバレる前に彼女の右手を振り払った。
それから、慌てて立ち上がり、
「弁償してくれなくていいから!」
俺は壊れた眼鏡を拾い上げて、
その場から逃げるように走り去った。
バレてなきゃいいけど...!
俺がアイドルで。
林ユーコがいつもコンサート会場に来てくれてて。
そこで、
俺の名前、アイドルの名前、
「シン!!」って叫んで、団扇とか叩いて
コンサートを盛り上げてくれてること、
俺はよく知ってる。
林ユーコが、他のメンバーの名前を叫んで
きゃーきゃー言うことはただの一度としてなかった。
つまり、林ユーコは。
俺を1番に推してて。
俺にぞっこんだということだが。
つい今しがたのアクシデントにより。
俺の切れ長の目を見てしまったもんだから。
ひょっとしたら、
俺の正体、バレちまったかもしれなかった。
iPhoneから送信
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます