この世に希望がないなんて言うなよ

作者 Askew(あすきゅー)

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★★★ Excellent!!!

短編に込められた、ある女性のこれまでの人生。
自分の存在を認識する他者を探し、自分に足りない嗅覚を探して…

様々な場面で、何気ない日常のシーンの中に、自分を探してもがき続ける女性の姿が見られます。
きっと、誰もが彼女のように、自分の中に足りない何かを探し、不十分な五感を抱えて生きているのかもしれません。

それを探し続けられる彼女は、きっとこれからも前を向いて生きていける。
希望は、確かにそこにあるのです。

どこをとっても言葉が美しく、ありふれた日常をもきらめかせる豊かな表現力に、ずっと浸っていたくなります。
文学的な日本語の美しさに触れたい方に、ぜひ読んでいただきたいと思います。

★★★ Excellent!!!

 希望を求めてグランドキャニオンに来た28歳、無職の女性が主人公の物語です。
 彼女が何故ここに来たのか、来るに至ったかの過程が語られ、主人公の「彼女」が少しだけ人と違うかも知れないということがわかります。

 ちょっと変わった人だとしても、人には等しく希望がある。彼女が見つけた希望とは何なのか。それがこの物語の主題、だと私は感じました。

 しかし。この物語のすごいところは、「読む人の数だけ答えがある」というところだと思います。この物語のラストシーンは、まさにそれ。
 私のように「希望」を感じる人もいれば、そうでない人もいるかも知れない。その辺りに、作者様の手腕を感じます。

 さらりと読めるお話ですが、後味は重厚。あなたもこの物語を是非読んで見て下さい。そして感想を是非、語ってみて下さい。自分の立ち意味を再確認できるかも知れませんよ。オススメの物語です!