第13話 秘密の真実


試作品しさくひんだった? って事は・・・られていなかったって事なの? 」


「私はそうだったの。あそこにいたソーサー達のほとんどはそうなの。私もカップを乗せられたのが一度しかなくて・・・

だから、とう子ちゃんが私を選んでくれたのがすごくうれしかった。ユニコーンさんも、とても優しくしてくれて、お店の立派りっぱなカップ達も私たちを歓迎かんげいしてくれたのよ。でも・・・ユニコーンさんが、ソーサーが割れたときのことが、とっても悲しくて仕方が無かったって話してくれて・・・

「君も悲しかっただろう? 」って言ってくれたときに、私・・・・正直に言えなかったの・・・

あそこに飾ってあった中には、とう子ちゃんのおばあちゃんが何年もずっとさがして、やっと相手のソーサーを見つけ出したり、カップを見つけたりというお話がたくさんつまっているの。

だから・・・・・」


「もっと言い出しにくくなっちゃったんだ・・・」


「ええ・・・それでも、リサイクルショップに残った仲間達なかまたちも売れたことを聞いてとってもうれしかったのよ。お客さんの中には

「このソーサーのカップがあったらいいですね」って言ってくれる人もいたの。だからとう子ちゃん、泣かないで。

私が人間になったのは・・・もしかしたら本当のことがちゃんと言えなかったからかもしれない。

それと・・・やっぱり・・・もう一度カップに会ってみたいなって」


私は生まれてきた陶器達にも、色々な感情かんじょうがあるのだなと思った。



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