第2話 別れ話も疲れるので、さっさと了承する。

 高校から友人になったこの娘は、最近幼なじみの男の子と付き合い始めたらしい。


 「そんなこと言って大丈夫なの?」


 罰ゲームで、好きな人に告白すると言ういまどき、コンプライアンスにひっかかりそうな発言をしていた。


 「大丈夫、大丈夫。あいつ、あたしにベタぼれだから」


 とても、自信満々だ。やはり幼なじみと言うだけあって長い付き合いなのだろうか。


 「そう。幸せそうね」


 まったく、のろけ話に付き合うことになるとは。


 「やっぱり、あたしだけ告白するのはおかしいし。どうせなら、あいつに告白してほしいから」


 別にどちらかが告白しても変じゃないかなぁとは思うけど。


 「よくわかんないけど。今のままでいいんじゃないの?」


 なんとなく、確認してみた。


 「いや、一回別れる。そこで、すがりつくあいつを快く受け入れてやるんだ」


 ふーん。なんだか、悪い顔してる。


 「あんまり、いじらないほうがいいよ」


 夢見心地な表情をしている彼女に一言だけ忠告をした。


 「わかってる。でもあいつにとってもあたしといられるんだから、それぐらいすると思うんだよね」


 あまり伝わってる気がしないな。でもこれ以上、踏み込むのもどうかと思ったので、そのままにすることにした。


◇◇◇◇◇


 なんともだるい。あの告白が罰ゲームだったのか。しかし、罰になるほど、嫌われていたのか。あぁ、考えれば考えるほど嫌になっていく。


 「ちょっと、用があるから屋上に来なさい」


 幼馴染から呼び出しを食らった。なんとなく、この関係に終わりが近づいている事を察した。


 「あぁ」


 屋上につくと、彼女はニヤニヤしながら話をしてきた。


 「別れましょう。最近のあなたは、あたしのことを見ていないわ」


 やはり、別れ話か。


 「もともと、あなたに告白したのは罰ゲームだったの。今日で1ヵ月経つから、ここで終りにしましょう」


 全く馬鹿にしたものだ。


 「わかった、別れよう」


 なんだか色々と冷めてしまったので、早々に了承することにした。


 「でも、あなたがどうしてもと言うなら...いまなんて?」


 困惑している様子が見られた。でも、もうどうでもいい。


 「あぁ、わかれよう。今まで1ヵ月楽しかったよ。少しの間だけでも、彼氏になれてよかった。じゃあね」


 一気に興味がなくなった、おれはこの場を去ることにした。


 「いや、待ちなさい。本当に別れるわよ...?いいの!?」


 なんだか、焦った様子の幼なじみ。


 「お互いに、いい人が見つかるといいね」


 リップサービスを言い、話を切り上げにかかる。


 「...そう、あなたもあたしを試してるのかしら、いいわあなたがその気なら、あたしは他の人と付き合うから」


 少しの沈黙の後、よくわからないことを言っていた。


 「じゃあね」


 そういうと、幼馴染はこの場を離れていった。夕焼けが、沈み辺りは暗くなる。あんなにも赤く染まってきた空は何よりも黒く染まり、星1つの明かりも見えない。

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