第447話 会議Ⅱ
俺は
「マズいな――
俺がそう声を漏らすと、ミクちゃん、ランベリオン、マカロフ卿の3人は驚いた表情を浮かべていた。
「何!? 今は何処にいるのだ!?」
そう問いかけてきたのはランベリオンだ。
「何処にいるかは分からない。ただ、空を飛んでいる。恐らく何処かの国を襲う気なのだろうな」
「それじゃあ私とナリユキ君で今すぐにでも向かうべきだよ!
「いや、駄目だ」
ミクちゃんは俺がそう回答するとは思っていなかったのだろう。驚いた表情を浮かべながら「何で?」と問いかけてきた。
「理由は簡単だ。空中戦では俺は不利だからだ。奴は今、高度一万メートル付近に飛んでいる。
「つまり、戦えるのは私だけになるって事?」
「そういう事だ。十分強くなったミクちゃんでも
すると、ミクちゃんは肩を落としていた。正直なところ、ここまで辛辣な言葉をミクちゃんに言ったのは初めてかもしれない。けれども、感情だけ動いてほしくないんだ。大切な人はたくさんいるけど、俺にとって一番大切なのはミクちゃんだから――。
「分かった……でも、放っておいたら、国一つが本当に亡んでしまうよ?」
「それは分かっている。だから俺は今からコイツの行動から片時も目を離さないつもりだ。
「分かった」
ミクちゃんはやっと納得した表情を見せた。差し詰め俺がどういう行動を取るのか不安だったのだろう。
「それにしても勝機はあるのか?」
そう問いかけて来たのはマカロフ卿だった。
「確かにナリユキ閣下は強くなっているが、それでも聞いている話では勝てるとは思わない。良くて相打ちといったところだ。それがナリユキ閣下と
マカロフ卿はそう言って窓際に向かい葉巻を吸い始めた。その背中は、どこか何もできないという悔しさに満ち溢れていた。
「マカロフ卿――」
ミクちゃんがマカロフ卿の背中を同情した目で眺めながらそう呟いた。
「随分と冷静な分析だな」
そう言ったのはランベリオンだ。
「私はいつだって冷静だ。己の実力くらい分かっている。私達がどうこうできる次元の問題ではない。戦って10秒
持つ実力を持っている猛者は、ナリユキ閣下、ミク嬢、
「確かにそうだな。以前の戦いで数を集めても、
「だろうな……我々でも何かできる事があれば良いのだが――ランベリオン。何かあるか?」
マカロフ卿は一旦ランベリオンにそう問いかけた。
「正直我では思い浮かばない。そもそも、竜と龍では個体差が違いすぎる。S級止まりの竜と、Z級に到達する可能性が高い龍では次元が違う話だ。何秒か気を引くという事しか正直出来ないだろうな」
「だよな。この件に関しては我々で模索する。ナリユキ閣下とミク嬢は倒すことだけを考えておいてほしい」
「分かってるよ」
「任せて!」
そう俺とミクちゃんは力強く言った。すると、ランベリオンもマカロフ卿も安堵した表情を見せていた。
◆
「それにしても大変な事になってしまったのう」
妾は
2人が地上に出てくる可能性もある訳じゃ。雑兵が相手であればさほど問題は無いのじゃが、この2人が、もし一斉に地上にある
そしてもう1つはコヴィー・S・ウィズダムの件じゃ。アヌビスはコヴィー・S・ウィズダムが
「あああああ! 考える事だらけで頭がパンクしそうじゃー!」
「なんだいきなり大声を出して」
妾がそう叫んでいると突如として旧友の声が聞こえてきた。こんなに取り乱したところを見られるのは恥ずかしい。何なら、今すぐにでも
「来てくれるのは初めてじゃのう。
妾が振り向くと、
「少し2人きりで世間話でもしようと思ってな」
――絶対嘘じゃな。と心のなかで思ったのは言うまでもない。知り合って何千年と経つのに、ヒーティスには来たことが無かったからのう。
「どういう風の吹き回しじゃ?」
妾がそう言うと
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