第445話 魂魄と石板Ⅲ
「でも、神々の能力を自分のユニークスキルに変えたって事は、能力をスキルに変換させる能力なり、それに関する何らかのスキルをミロクは持っているって事になるよね?」
「そういう事だな」
「その3人の神を倒すことができる程の力を、
「そうじゃの。当時の神々の力が一体どれほどのものだったかも気になるところじゃのう」
「そうですね。ただ、言えるのは俺が持っているこの
「成程。確かにそう言われると自然だな」
「しかし、長い間スキルという概念で育っておるからのう――もしかしたら、悪魔の始祖様なら分かるかもしれんな」
「ん? 因みに悪魔の始祖っての誰だ?」
「ああ。サタンじゃよ。妾が生まれた頃には死んでおったからのう」
「成程。それで魔王クラスの魔族が使える限定的な強さの事を
「誰が言い始めたかまでは知らんがのう。恐らくそういう事じゃ」
「へえ――色々知れると面白いものだな」
「それで、結局のところ神様達の存在が知れ渡っていなかったのは何でなんだろう?」
ミクちゃんが再度そう問いかけきた。
「倒したのがミロクだろ? ミロクが神々の存在を隠したというのが妥当だろうな」
「しかし何の為に神の存在を隠すのだ?」
「正直そこまでは分からないですね。ただ隠すという事は何らのマズい情報があるんじゃないでしょうか?」
「そう考えるのが妥当だな――ふむ」
「ゾークよ。他にも石板はいくつもあるのだな?」
「いかにも。しかし我はここにある石板しか知らないので、もし情報がもっと欲しいのであれば、
「成程な。これはマルファスか誰かに協力させた方が良いな」
「ナリユキ閣下が必要だと言うのであれば、ヒーティスからも数名輩出することができる」
「ありがとう。今度三人で話し合って
俺がそう言うと
「しかし、
「7,000後半とかって事か?」
「そうだ」
「私みたいな人がウヨウヨいるって事かな? それだと中途半端な戦力じゃ厳しいね」
「そういう事だ。編成するのであればじっくり考えた方がよい。我の部下も数名送りこんでも良いが、5,000前後の戦闘値では足手まといになる」
「なかなかハッキリ言うな」
「仕方ないだろう。事実を今のうちに言っておかないと、後々面倒だからな。
「確かにそれは最もな意見だ。今度考えておくよ」
「何かあればいつでも我の元へくると良い。せっかくの機会だから、全面的に協力してあげよう。まあ、地上に出て一緒に戦ってくれという要望には応える事はできないが、
「サンキューな」
俺がそう言うとゾークは「ああ」と返事した後に、何か思い浮かべたような表情になった。
「因みにだが、
「名前はコヴィー・S・ウィズダム。
「アヌビスがずっと追っていた人間の事か?」
「そうだ」
「成程な。アヌビスとは直接の交流は無いが、奴が最近活発に動いている事は把握していた。それがその人間を追っていたという事だったか」
「実際にアヌビスさんと、アヌビスさんの部下にメルム・ヴィジャという
「あと少しのところで2人は死んでいたかもしれない程の重傷だった」
ミクちゃんの後に俺がそう説明をすると、ゾークは険しい表情を浮かべた。
「アヌビスが手も足も出なかったのは信じられないな。その人間ももしかしてZ級なのか?」
「恐らく。てかそうじゃ無ければアヌビスが手も足も出ないなんて事は起きない」
「成程。確かに気になる情報だな。そのコヴィー・S・ウィズダムとやらの人間、我のほうでも探しておこう。ナリユキ達は、我が共有した
「ああ。色々ありがとう」
「構わん」
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