第403話 龍・魔との戦いⅣ
俺の中であともう一つだけ試したい能力があった。この能力と一瞬で移動することができる能力と、MPを吸い取ることができる能力があれば――。
俺は最後に試したい能力で自身の姿を透明化させた。
「消えた!?」
「大丈夫だ。ナリユキ殿のニオイまでは消えていない」
そう冷静な分析を行う
「俺は龍じゃない。嗅覚は人間と変わらないからな――仕方ない」
マルファスさんはそう言ってふうと深呼吸した。そして数秒すると――。
「いけ!」
マルファスさんはそう合図をすると、
俺はとりあえず瞬時にあちこち移動した。それをしながら、
案の定スキルを確認すると探知系のスキルが沢山あった。故に何で透明化になっている俺を見つけ出したのか分からない。俺が移動する度にこの
そして一番驚きなのは、1頭1頭が邪眼を持っている事だ。あの真紅の瞳の正体はどうやら邪眼らしい。まあ魔眼がじゃないだけ良しとするか。
「そこだ!」
「不思議そうな表情をしているな? ナリユキ殿」
「それはそうでしょ。何で動きがバレたのか不思議なんですよ」
「経験値ってやつだよ。お主にも癖があるようだったからな」
そう言って
妙にマルファスさんの視線を感じるなと思った瞬間だった――俺は氷漬けにされてしまった――油断した。でも何でだ? 俺とマルファスさんの距離は20m前後離れている。魔眼の
もう訳分からん――。
「何か困っているようだな」
「強い2人と戦うと理解するまでに時間がかかる事が多すぎるんですよ」
「成程な」
そう言いながら、短刀で遠慮なく斬りかかってくる
「確かにアクティブスキルは効かないと言ったけど同時攻撃が効かないとは一言も言っていないな」
「そういう事だ」
「どうだ? 動けまい」
刹那、目の前が紫色の光に包み込まれた。腕を完全に封じられたので、所有スキルのスキルリターンや、スキルバリアーも使えない。勿論
勿論痛覚無効が作用している。しかし、右手や左足の感覚が無くなっていた。そう思っていると、即座にパッシブスキルの自動再生が発動した。吹き飛ばされた身体のパーツが再生されたようだ。どうやら本当に右手と左足が無くなっていたらしい。
「ったく無茶するよな
と――思っていたが。
「流石にあの程度の攻撃ではピンピンしているか。流石だなナリユキ殿」
そう言って煙の中から俺の前に現れたのは、服に付着した汚れを振り落としながら、まるで空中にベルトコンベヤーか何かがあるように、宙を滑って近づいて来る
「何でそんなピンピンしているんですか?」
「ん? 余には硬質化とスキルバリアーがあるからな。前はナリユキ殿で後ろはスキルバリアーをすると大したダメージを負わないだろ?」
「あ――勉強になります」
俺がそう言うと「褒めても何も出ないぞ」と呟く
かく言う俺はダメージが大きかった。それこそ、今まで喰らったことが無い威力の
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