第380話 アルボス城での激闘Ⅳ
俺は
「
俺がそう詠唱を行うと、
「お前はこれで終わりだ」
「クソ――このタイミングでこんな大技を――!?」
全く身動きが取れない
「戻ってきたら殺してやる」
「やってみろよ」
俺がそう吐き捨てると、扉は閉まってしまい、
「出て来ても、奴は廃人となっているはずだ。それより――」
俺は2人が戦闘しているところに乱入した。ちょうど2人が息を切らして、金色蛇の仮面を付けた人物を睨めつけているところだった。
「また増えたのね」
そう冷たく言い放ったのは女だった。俺が今まで会った
「奴の名前は?」
「奴の名前は
スカーが俺にそう説明をしてくれた。
「加えて、あの銃は特注の弾丸を使用しているらしく一発一発が重い」
そうカリブデウスが続けた。
「まあ死んでいないなら大丈夫だろ」
「言っておくがフラフラだ。眩暈もする」
「――そうか」
てっきり「我がそんな事で倒れるはずがないだろう! 誰だと思っているのだ!」とか言いそうな勢いなのにこれは予想外。この馬鹿が俺に全く突っかかってこないのは相当疲労しているな。何ならカリブデウスはすでにピンチの状態に陥っていると言っていい。
「分かった。奴の銃弾が必ず当たるのであれば、対策としては武器でガードするしかないな」
「そうだ。なのでカリブデウスは兵士を盾にしていた」
スカーがそう言ってたのでカリブデウスの方を再度見た。成程――確かに死体が転がっている――。
「貴方のお仲間さん。私の部下をゴミみたいに扱ったのよ? 許せないわ。非人道的行為ができるのも
「いや、そういう機転は俺の真似だな。元々はこんな事をやるような奴では無かったし」
「――類は友を呼ぶとはこの事ね」
「お前達は敵だからな。敵の死体をどうしようが俺達からすれば何も関係ない。身の回りにあるのは最大限活用するさ」
「成程ね。一理あるわ。ただ非人道的という事実は変わりない。貴方達を殺す」
そう言って女は銃を何発も連射してきた。俺、カリブデウス、スカーに1発ずつだ。避けることができないなら燃やすまで。
「
俺がそう唱えながら弾丸に手を向けると弾丸はピタリと止まった。
「なっ――!?」
「甘いんだよ」
俺は弾丸をそのまま
バババババン!
そう激しい銃声が鳴った。どういう構造か分からないが、拳銃のような形をしているのに、リロード無しで弾をいくらでも発射できるらしい。全くもって出鱈目だ。
俺は必死に全ての弾丸。正確に言うと10発の弾丸を
全ての弾を地面に落とした後、俺は
「今だ! カリブデウス! スカー!」
「おう!」
「御意!」
カリブデウス、スカーがそう返事をすると、カリブデウスは
「
俺の手から放たれた強力な邪悪で禍々しい闇のエネルギー光。そしてカリブデウスの毒の息と、スカーの地獄の業火の如く襲い掛かる炎の渦。これらの3つが氷漬けになっている
しかし――。
「今のは効いたわ」
そう言って
「ったく――奴の耐久力はどうなっている」
「ただ我の攻撃は効いているみたいだ。毒の耐性は持っていないらしい」
「カリブデウスの毒は神経毒だからな。そのうち奴の神経に危害を及ぼすはず。奴の動きが鈍くなってきたところで、ありったけの力でアルティメットスキルなり、アクティブスキルを放つといい」
「分かっている」
「これからが本番というものだな」
カリブデウスとスカーはそう意気込んでいた。流石に俺もMPを使いすぎているのでギアをあげないとマズイ。
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