第338話 創世についてⅢ
「困ったな――色々と事件が重なりすぎている。これはまた
そう申し出たのはカーネル王だった。しかし、
「どうかされましたか?」
「いや……そうだな開くべきだな」
「
ナリユキ閣下がそう
「何か重要な事を隠されているのですか? もし何かお困り事があるのであれば、微力ながら、カーネル王国も協力致します」
カーネル王がそう申し出ると、
「
一体何の話をしているのだ? しかし、今私が聞いてもナリユキ閣下は確実に黙秘をする――。
「原則、うちの戦力だと十分に強いです。ここにいるマカロフ卿を含む、メリーザ、レイにも伝えて協力してもらう。勿論、私がよく協力してもらっているレン・フジワラの冒険者パーティーにも参加してもらおうと考えています。あとはノックから情報を入手したカルディアのパーティーにも参加してもらえると、勝算はあるんじゃないかと考えております」
「確かレン・フジワラも、カルディアも魔眼が使えるのだったな?」
「ええ」
「それは確かに強力な助っ人だ。カルベリアツリーのダンジョンにここに残っている何人かで向かう事はできないのか?」
「できるとは思いますが――」
そう話をしている時だった――。突如、姿を現したのはアリシアだった。
「アリシア。無事で何よりだ」
「ナリユキ様――!」
と、ものすごく嬉しそうな笑みを浮かべている。メリーザとは違って喜んでいる時の表情は豊かだ。
「皆様もお揃いでしたか。カーネル王様、クロノス様。ご無沙汰しております」
アリシアがそう頭を下げると――。
「ああ。久しいな」
「お疲れ様アリシア!」
「お久しぶりです」
と、
「ナリユキ様――」
と、アリシアは少し困惑した様子だった。相当な馬鹿ではない限り、アリシアがその続きは何が言いたいのか分かるだろう。
「いいぞ。ちょうど皆がいるから報告を聞こう」
ナリユキ殿の言葉に応じて頷くアリシア。そこで彼女が話した内容なかなか驚くべきものだった。
まずは1つ目はミク嬢達はとりあえず無事ということ。
2つ目はアヌビスと戦っていたストーク・ディアン公爵が、ミク嬢、アヌビス、アリシアの3人に囲まれた為に逃げたということ。
そして最後は、アリシアがあの方とやらに、
いずれにしても、
「もしかしたらミクちゃん達がまた新しい情報を持って帰ってくるかもしれない」
「そうだね。ヴェドラウイルスで大事なのにさらに大事になってきたね」
「対策を早急に講じる必要があるな。マーズベルは厳戒態勢を整えろ」
「かしこまりました」
アリシアはそう
「メリーザ――せっかく今2人がこの場にいるのだ。アリシアと話し合いをしてより密度の高い結界を張るべきだと思うがどうだ?」
私がそう提案するとメリーザは気まずそうだった。アリシアはメリーザに対して「メリーザ……」と小さく呟く。
「命令とあらば実行致します。ただ、忖度して頂けるのであればもう少し時間を下さい」
「命令だと密度の高い結界を張ることはできないだろ? 熟考してくれ」
「お気遣いありがとうございます」
私とメリーザのやりとりを見て、
「相変わらず2人に何があったのか気になるけど」
そう小声で呟くカーネル王に、クロノスが「デリケートな話なのでしょう」と付け加えた。
「状況としてはどうなのだ? ミク殿なら戻って来れるだろう?」
「恐らく、ランベリオンさん達と合流して一緒に行動している可能性が高いですね。ミク様の性格を考えると、自分だけ抜け出して来ることは少ないでしょう」
「場所は危険なところなのか?」
「危険です。アヌビス様に先に行けと言われた程なので」
すると、
「ならば余が様子を見てこよう」
――噂よりフットワーク軽くないか?
勿論、カーネル王とクロノスはあたふたとしていた。そんな様子を見せているのは勿論
「では行ってくる」
そう言って
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