第327話 乱入者Ⅰ
「気付いたようだな」
「このビームサーベルには様々な施しがされていてな。斬撃無効のパッシブスキルが付いている人間でも斬る事は可能だし、傷の治りを遅くさせることも可能だ」
それは流石に面倒くさいな。あのビームサーベルに絶対切断みたいな効果があるのか――。まあ痛みは結構引いているから何とか大丈夫だけど。
「攻撃しないと思っていそうだが?」
「喰らえ。
そう言って飛ばして来たのは風の塊のようなエネルギー波。名前を聞いた限りではスキルではなく
私は咄嗟に右の方向へ飛んで逃げた。ダイビングをしながら避けたけど、それでも風に切られたのか、足に切り傷を負った。
ゴオオオオ――! と風が吹き荒れるような音と共に、ドガン! と、とてつもなく鈍い音がしていた。右後ろを見ると私の後ろにあったコンクリートの壁に穴が開いていた。どこか
よく見てみると、
「そうだろう?」
そして私は
重い衝撃と共に襲い掛かってくる痛み。全身が切られたかのような威力はまるで鎌鼬にあったかのようだった。
「マズいな――」
アヌビスは魔眼を使って私を見ていた。体にちょっとした温もりを感じるから、魔眼の効果を使って
「余は十分に回復した。少し休んでいるとよい」
アヌビスがそう言って不敵な笑みを浮かべていた。
「余には本物が見ている」
すると、3人の
「終わりだ」
アヌビスは1人の
「何!?」
「いつの間に!?」
3人が並んで立っているなか、両脇の
「
アヌビスが唱えたと同時に、
「どういう事だ! 何故スキルが発動しない!」
そう言って
「残念だったな。このスキルは相手を消し去るスキルだ。大丈夫だ死ぬことはない。この場から退場してもらうという事だ。もっとも、どこに行くかは分からないがな。そもそも、この世界なのか、魔界なのか――またまた
アヌビスがそう言うと「クソオオオ!」と怒号を散らしながら
その場から
「このスキルは相手を強制退場させる技だ。
「成程――ナリユキ君このスキル覚えられるかな?」
「さあな。多分今は無理だ」
「何で?」
「あいつMP70,000,000も無いだろ?」
「――それ私も無いんだけど」
「じゃあ無理だな。
「そもそも。このスキルを覚えている人って数少ないよね?」
「そうだな。さて残りの奴等も始末するか」
アヌビスは首をコキコキと左右に振って準備を整えていた。戦況を見る限り今の所はいい勝負をしているようだ。決して負けてはない。どちらかと言えば攻めている――が、相手もなかなかしつこいようだった。
「さて行こう!」
「ああ」
そう気合いを入れ直したと同時に、私達が来た方向から足音がした。
「
そうやって近付いて来た黒いローブに身を包んだ金色蛇の仮面の男。このボイスチャンジャーのような男はまさか――!?
「
と、大盛り上がりを見せていた。そうか――コイツが
「私の駒がやられたと思えば、次はマーズベルの戦力か。随分と私と縁があるようだ」
と、明らかな皮肉を言われていた。
「まさかこんなところで会うとはね」
「君は確かミク・アサギだったな? 噂通りに強そうだ。それに何故かアヌビスもいるわけか。
そう言って次は
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